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小池氏の勝因とメディアの課題

Japan In-depth / 2016年8月1日 10時39分

■メディアの伝え方

次に、メディアの伝え方に苦言を呈したい。いつものことながら、ステレオタイプな報道が目立った。3候補だけに絞り、他の候補者の政策をほとんど報じなかった。その3候補だとて、揃って政策を議論する場がほとんどなかったことは、今後の問題としてしっかり振り返るべきだ。そして、ニュースもワイドショーも取材不足で、政策面での比較をきちんと出来ていなかった。突っ込んだ質問もせず、挙句の果てに政策論争が深まらない、とか、差がない、とかコメントしていたが、詳しく取材し比較して有権者に判断する材料を提供出来ていたとはとても言えない。

そうした中で、ウェブメディアは存在感を示した。NewsPicksは猪瀬直樹元都知事のインタビューを掲載、その中で猪瀬氏は議会のドンとの軋轢について赤裸々に語った。名指しされた内田茂都議会議員は沈黙を守っており、一方的な記事ではあるが、編集部としては報じる意義があると判断したのだろう。他のウェブメディアも次々と転載し、また多くの人が引用したことで、一部の人にはかなりの影響があったと思われる。増田候補の岩手県時代の様々な問題をヤフーニュース上で明らかにしたのも、著名ブロガーの山本一郎氏であった。

一方で、既存メディア、特に新聞・テレビはこの一件を全く報道せず、有権者の多くの知る権利は奪われた。この点も、既存メディアは検証し、評価をすべきであろう。さもなくば、今後の既存メディアの選挙報道は見向きもされなくなるに違いない。それは極めて不幸なことである。有権者にとってどのような情報が必要なのか原点に返って考えるべきだろう。その際、ウェブメディアとの連携なども視野に入ってくるのではないか。

■今後の課題

小池新都知事はさっそく議会の抵抗勢力と相対峙しなければならない。しかし、これまでのように、議会の一部勢力が都知事と対立することで、都政が停滞するようなことがあってはならない。都議会議員、都知事。どちらも選挙の洗礼を受けている。とはいえ、都政は都民の為にある。都民にとって重要な政策、特に、待ったなしの首都直下地震対策、待機児童問題など女性を働きやすくする対策、超高齢社会への備え、そしてそのために必要な財源をどうするかという財政改革を推し進めなければならない。無論オリンピック・パラリンピックでの無駄遣いは厳に戒めるべきだ。こうした課題の解決を遅らせるような都政の停滞を招いてはならない。メディアは都政の状況をしっかりと報じ、都民が来年の都議会選挙で誰を議会に送りだすかの判断材料を提供すべきだ。知事と議会の対立などを面白おかしく報じるような愚だけは避けねばならない。

トップ画像:投開票から一夜明け81日午前の記者会見© Japan In-depth 編集部

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