記事「もしゴジラが上陸したら?」にモノ申す
Japan In-depth / 2016年8月28日 23時0分
また核を封じこめる物質があれば東日本大震災の時の原発事故で、あれほど苦労はしなかった。それが存在するならば世界の原発の廃棄物の処理に革命的な利便性をもたらすノーベル賞ものの大発明だ。そのような技術を自衛隊が秘匿しているのだろうか。筆者は寡聞にして聞いたことがない。
>この間、空自の戦闘機ではゴジラの目を中心に機銃射撃、陸自第一空挺団では空からパラシュート降下、さらなる攻撃を加える。海自護衛艦隊では防衛省技術本部が研究・開発したという「特殊物質」を海中に散布、ゴジラの動きを鈍らせるという。粘着性の高い化学物質を用いてゴジラをがんじがらめにするのだ。
細かいことをいえば空自の戦闘機に搭載されているのは機関砲だ。自衛隊の人間はこれを機銃とは言わない。先の話の流れだとこれは海の上に着水することになるのだが、空挺団が着水するような降下訓練を受けていない。重たい装備をつけて海上に落下傘降下すれば全員溺死する。仮にこれが陸上でも意味が無い。精強な空挺団といっても普通の歩兵である。むしろ通常の普通科(歩兵)部隊よりも火力は低い。それに重装備を持ち込むならば空挺団にしても落下傘降下ではなく、ヘリコプターによるヘリボーン作戦を行うだろう。わざわざ落下傘でバラバラに降下し、時間をかけて人員を集合させ、重装備を回収する意味は無い。とても軍事に明るい人間のコメントとは思えない。
防衛省の技術研究本部の予算は1700億円程度に過ぎず、決して潤沢ではない。特に基礎研究の予算は殆ど無い。そのような極めて特殊な物質を研究する余力はないし、仮にあっても予算を申請するので外部に明らかにしている。秘密裏に開発なんぞやっていたら大問題だ。
>対ゴジラ戦での主力部隊はやはり初動から展開まで、ずっと陸自・化学科部隊である。
秋山氏が紹介してきた当初は海自や特殊部隊が対処するという話と矛盾しているが、秋山氏はおかしいと思わなかったのだろうか。この記事の論理自体が破綻している。
>「核をエネルギーとするゴジラに対抗できるのは、この分野を専門とする化学科部隊しかありません。対ゴジラ戦では核攻撃への対応を応用し、これを殲滅します。駆除、捕獲という選択肢はありません」(陸自化学学校関係者)
>具体的には何を行うのだろうか。「詳細は言えないが…。原子力発電を“止める”原理の応用と考えてもらえばいい。極めて単純至極なそれです」(化学を専門とする2等陸佐)
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