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問われるメディアの良心 子宮頸がんワクチンデータ捏造疑惑報道

Japan In-depth / 2016年11月27日 7時0分

さらにB特任教授については、「複数の接種マウスから血清検体を採取しており、これらすべてについて実験を行うことは可能であった」、「プログレスミーティングの際に“n=1”の実験結果であることをことさら秘匿していたものではないものの、研究者の姿勢として疑問が残るところである。調査委員会はB特任教授に対し、そうした研究姿勢に対し猛省を求める」と述べている。

以上の記載からわかることは、池田教授たちが今年3月に記者会見で発表したマウスの実験結果が信頼にたるものでないことだ。毎日新聞は3月17日に「研究班は複数のワクチンをマウスに接種する実験で、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳だけに神経細胞を攻撃する抗体が作られた」と報じており、早急に紙面で訂正する必要がある。まさに、このことこそ、読者に最優先で伝えるべき事実だ。

また、この報告書を読んで、池田教授も「捏造も不正もなかったことを実証していただき、安堵しました。」と脳天気なコメントをしている場合ではないだろう。大学院生が同じ事をしたら、彼はどう対応するのだろうか。池田教授は教員の基本的な資質を欠くと言わざるを得ない。 

朝日、毎日新聞も、肝心要の事実を伝えず、池田教授のコメントを垂れ流しているのは、「不正」や「不都合」があって欲しくない理由があるのだろう。朝日、毎日新聞と対照的だったのが、読売新聞だ。(11月16日Web版)「子宮頸がんワクチンデータ捏造疑惑「科学的議論不足」・・・信大に研究再実験要求」という見出しをつけ、本文では「実験は各ワクチンをマウス1匹ずつにしか接種しておらず、そのマウスの脳を調べる実験でもなかった。これは予備的な実験だったが、公表段階では証明された結果のように伝えられた」と説明している。さらに、池田教授の対応について、「弁護士を通じ「捏造も不正もなかったことを実証していただき、たいへん安堵した」などのコメントを発表したが、反省や謝罪の言葉はなかった。」と手厳しい。

調査報告書の内容について、朝日、毎日、読売新聞のどれが、読者の立場にたって「誠実」に報道しているだろうか。言うまでもないだろう。実は、朝日と毎日新聞には池田教授の肩をもたなければならない理由がある。それは、両紙が子宮頸がんワクチン副作用キャンペーンを主導してきたからだ。特に朝日新聞は熱心だった。リードしたのは斎藤智子記者だ。詳細は拙文をお読み頂きたい。

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