東京にブランドは必要か? 東京都長期ビジョンを読み解く!その40
Japan In-depth / 2016年12月4日 7時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
東京のブランドを見直す?
東京をPRするブランド戦略の在り方、(NHK NEWS WEB ※すでに削除の場合有り)
東京都の観光ボランティアのユニフォーム
について小池都知事は見直す意向を表明した。
専門家を入れた検討会を開催して、ワイズスペンディング(賢い使い方)を考えるため、東京ブランドのあり方検討会(第1回)が早速11月25日に開催された。
有識者が観光ボランティアのユニフォームの見直しやブランド戦略のあり方を議論された。確かに28億円となると、抜本的な見直しの方向を年内に決めるのも仕方ないのかなと思う。
このブランド、「あまり知られていない」「お金の使われ方に疑問がある」そしてボランティアユニフォームについては「かっこ悪い」「着たいと思わない」「韓国みたい」と様々な意見が出ている。本連載でも、33回から3回にわたって言及してきた東京ブランド推進キャンペーン。
その1、その2、その3で「&TOKYO」について考えてきた。
個人的にはこのキャンペーンにかかわっている関係者に対してはリスペクトの気持ちを持っている。映像はかっこいい、デザインは洗練されている、展開は素晴らしい、申請すれば使えるという仕掛けは感動ものだ。さすがプロ。
それなりにクリエイティブなものにはお金がかかる。行革発想の立場からすると目くじらを立てがちだが、それだけのものを作るのに相応の時間がかかっていると思われるので、高いかどうか、判断はつけられない。
しかし、この映像は外国人目線、つまり観光面に寄り添いすぎている。
観光のためにブランド化し、観光をこれ以上推進するつもり?
今でさえ混雑している都会に観光客をさらに呼ぶなんて、山手線の混雑状況などが悪化するし、渋谷のスクランブル交差点で相手とぶつかる回数が増えるし、外国人観光客(特に華奢な女性)が重いキャリーバックを抱えて階段を上がるのを目にする回数がさらに増えるだろうし(いたたまれない)、正直、狂気の沙汰としか思えない。
東京よりも観光客を心底求める地方に外国人観光客が観光してもらうことこそ、日本全体を考えるまっとうな姿勢ではないのかと思う。東京だけ成功してどうするのだ?五輪で東京は恵みを受けるわけだから観光は地方にいってもらうのが適切な役割分担ではないだろうか?
さらに、私は東京にはそもそもブランド戦略は必要ではないと思っている。
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