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領土問題悲観論に与せず 日露首脳会談

Japan In-depth / 2016年12月17日 23時7分

領土問題悲観論に与せず 日露首脳会談

「細川珠生のモーニングトーク」2016年12月16日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部

12月15日に行われた日露首脳会議。日露関係について東海大学教授・政治ジャーナリストの末延吉正氏に聞いた。

日露首脳会議後に行われた共同記者会見の中では、具体的な北方領土問題の進展について目に見える形での成果はなかったのではないか、と細川氏は懸念を示した。それに対し末延氏は「経済を活性化させながら、平和条約をとにかく締結する、北方領土問題を含む平和条約の締結が大事なんだというところに向けて二人の首脳が自分たちの間にやるんだということがこの宣言に明記されている。」と述べ、領土問題で進展が全くなかったとの見方を否定した。

「ロシアもそれなりに領土問題について考えているということか?」と細川氏が問うと、末延氏は「プーチンさんも簡単にお返しします、とは言えない。(今回の会談で両首脳は)信頼関係積み上げて、経済共同開発する中で、『北方領土解決含む』、平和条約締結が大事だからこれに向けてやろう、と阿吽の呼吸でわかっている。」と述べ、領土問題を解決する方向性で両首脳は一致している、との見方を示した。

戦後71年が経ちあと30年すれば100年が経つ。その中で北方領土問題は新しい解決策が必要だ。日本からすれば、4島が元々は日本の領土であったことをロシアに認めて欲しい。しかしロシアからすれば、4島は戦争で得た勝利品である。双方の主張がある中、北方領土問題、ロシアとの関係を進展させるために日本国民が「この問題をどう自分たちの中で決着をつけるか、ということが求められている。」と細川氏は述べた。

これに対し末延氏は、今回の共同会見で、プーチン大統領は、日露戦争から解きほぐし、1956年の日ソ共同宣言の平和条約締結後には、舞群島と色丹島を引き渡すという話もあったこと、そして当時、国際情勢でアメリカが介入し脅しをかけたこと、したがって今回も経済共同開発をし、信頼醸成をするけれども、ロシアにとってはアメリカを含む安全保障の問題であり、ロシアもそのこと(アメリカのこと)については非常に気にかけていると解説した。

「(プーチン大統領の発言は)その辺の(アメリカとの関係)の難しさは分かってください、という意味。安倍首相の指導力を信頼して、自分もそこは裏切らないのだということで、とにかく(問題解決へ向けて)始めよう、ということである。」(末延氏)

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