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【大予測:安全保障】インドへの片想いは叶わない

Japan In-depth / 2017年1月1日 11時0分

日本は幻想を抱いている。日本が中国との対立を宿命的であると信じ込んでいるように、インドも中国を宿敵視している。だから誘いに乗ると信じている点だ。

そのため、日本はインドに気前よく大盤振る舞いしている。これは経済協力だけではない。核不拡散体制に入らない核保有国であるインドに対し原子力協定を結んだことや、最新鋭飛行艇の供与をもちかけたことなどだ。

これはインドにとって都合のよいものだ。だから、それをなるべく維持しようとする。対中包囲網の話を聞くふりをし、言質とならないリップサービスを行い、日本に「インドはその気がある」と信じさせる。

なによりもその状態を維持することがインドの利益となる。インドが日本のプレゼントを得られるのは、対中包囲網に入るか入らないかの宙ぶらりんな状態であるからだ。

③  中国との対立のアウトソーシング

第三は、インドは中国との対立を日本に押し付けようとするためだ。

インドにとって、もちろん中国は安全保障上の不安要素である。自国と領土問題を抱えており、その力の拡大が南アジアに及びつつあることは脅威である。だが、インドは中国との対立を避けたい。その理由は①で述べたとおりである。

その点、日本による対中包囲網の申し出は都合のよいものだ。それにより中国との対立を肩代わりさせ、緊張正面を東アジアにシフトさせられるためだ。

インドは日本の申し出に外見上の興味を示すことで日本を使嗾(しそう)できる。日本に「インドが同盟国」「外交でインドと挟み撃ちにできる」と考えさせることで、中国との対立を煽ることができるためだ。つまり、インドにとっての最適解は「日本にその気を匂わせるが、決して中国とは対立しない」ということになる。結果、日本はそのリップサービスに躍らされるのである。

■ 原発も飛行艇もうまくいかない

その点からすれば、対中対峙だけではなく原発や飛行艇輸出もうまくいかない。これも2017年の予測に含めてよい。

①  原発輸出は進捗しない

原発輸出は空手形に終わる。これはもともと日本の歓心を買い、自国核保有への非難を減らすために持ち出されたものだ。原発輸出の利益で日本の歓心をかい、その際に必要と原子力協定を持ち出すことで自国核保有への拒否感、拒絶を緩和するといったものだ。だが、そもそもインドは原発を欲しがっていない。その本心は豊富な自国石炭資源の活用にある。そして日本の歓心を買い、原子力協定を結んだ以上、原発そのものは特に買う必要はないものとなっている。

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