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【大予測:自動車業界】トランプ氏のツイートで激震 その1

Japan In-depth / 2017年1月11日 23時0分

そして今年に入り、FORDはとうとう、メキシコ新工場の建設計画撤回を発表しました。間髪を入れず、今度はGM。GMがメキシコ工場で生産し、米国に輸出している“シボレークルーズ”という小型SUV車に対し、“Big Border Tax”(高関税)を課すというもの。それも税率35%だそう。GMはトランプ氏に反論、大半の車は依然米国内で生産されており、メキシコからの輸出は少ない、米国内の雇用は十分守られていると主張。

そして今回、自動車業界では3番目のターゲットがトヨタ自動車という訳です。FORDがメキシコ工場計画破棄を発表した直後に、賀詞交換会で豊田章男社長がトヨタのメキシコ新工場建設に関しては変更無し、と“つい(?)”言ってしまったことで、トランプ氏に格好の攻撃材料を与えた格好。いよいよ日本企業がトランプ次期大統領の標的にされた、と言う訳で、日本国内外の新聞・TV等メディア各社、1月6日のトップニュースでこれを報じたという訳です。

確かに、最近のメキシコ国内での自動車生産の増加はすさまじく、米BIG3と日系各社による生産能力増強は続いています。FORD、GM、トヨタと続いた自動車メーカー叩きですが、メキシコ国内には日産自動車・マツダ・クライスラー・現代自動車・VW・BMW・ダイムラーなど多くの工場が建設されています。

参考までに、ここにメキシコでの生産状況をまとめた表をご紹介します。ご覧のとおり、メキシコでの生産台数・生産能力が最も多いのは、実は日産自動車です(2016年1月-11月累計実績)。トランプ氏に攻撃されたGMやFORDよりも多い訳です。メキシコで生産された車は、当然メキシコ国内でも消費されますが、輸出もされます。それがこの表の輸出台数。この輸出先、メーカーによって違いはありますが、その大半が、NAFTAの恩恵を受け、米国・カナダ向けとなります。

各社の米国での販売台数と、メキシコからの輸出台数を比べた数値が、この表のメキシコ比率です。ここでは前提として、メキシコからの輸出が、全量、米国向けと仮定しての数値(実際はカナダ向け、その他地域向けがありますが、現実問題としてメキシコからの輸出の大半は米国向けです)です。

ここでわかることは、米国販売台数の中でメキシコ依存度が最も高いのは、実はマツダ、そして次が日産自動車であるということです。この表からは、米国で販売する車のうち、マツダでほぼ半数、日産自動車では約3分の1が、メキシコ製であることが推測できます。米国BIG3も、米国販売台数の約15%から20%程度がメキシコ製であり、それなりに高い依存度となりますが、それでもマツダや日産自動車に比べればまだ低いのです。

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