【大予測:自動車業界】トランプ氏のツイートで激震 その3
Japan In-depth / 2017年1月13日 23時0分
日産自動車はメキシコ国内でもシェア1位、メキシコ国内市場の低迷と輸出でのハンディキャップの双方が出現した場合、その舵取りは非常に厳しくなります。マツダも同様で、北米にあるマツダの生産拠点はメキシコだけです。米国のミシガン州に立地していた工場からはとうの昔に撤退しています。よって、米国販売の車は、実質全てが日本製かメキシコ製ということになります。これまで永い間、円高に苦しんできたマツダが、近年その為替影響を低下させるべく、積極的に海外工場の開設に動いてきた訳ですが、その最も重要な拠点がメキシコです。まだメキシコ国内での販売台数が少ないということもあり、メキシコ生産車のうち、約9割が輸出され、その大半が米国向けです。米国はマツダにとって、利益の一大柱であり、この拠点から米国向け輸出が制限を受けるようなことになると、マツダにとっては死活問題となります。
ただ、トランプ氏の真のターゲットは、本来別のところにあるのではないか、そのような気もします。それはTPP後の日本との貿易交渉です。米国はTPPから離脱するというのは、トランプ氏の公約の1つですが、仮に離脱したとして、その後に起きることは、それぞれ各国との二国間交渉になる可能性が高い、ということです。
米国から見れば、相手がメキシコ製であろうと、日本製であろうと、海外から米国国内に入ってくる自動車は全て輸入車です。メキシコ製だけにBig Border Taxの35%関税を課し、日本製の車には現行の2.5%関税というのが、トランプ政権にとって納得がいくものなのか。本来ならこの2.5%の関税は25年をかけて、段階的に撤廃する、というのがTPPでの合意内容だったのですが、トランプ政権がTPPから脱退した場合、この約束は破棄されます。否、それどころか、日本からの輸入車にも、Big Border Taxをかけるべき、との意見が出ないとも限りません。(ちなみに、米国から日本へ輸出される自動車への関税は、既にゼロとなっています)。
次の表は、米国で販売されている自動車のうち、米国及びカナダで生産されている車の比率・米国外から輸入されている車の比率を示したものです(2016年、1月-11月実績値)。
この表で、米加生産車とあるのは、各社が米国内で販売した台数のうち、米国とカナダで生産された車両台数、それ以外輸入車は、米国とカナダ以外での生産車であり、これはメキシコ製を含む台数でとなります。勿論、日本製の車もここに入ります。
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