加速する小池旋風、次は都議選
Japan In-depth / 2017年2月6日 19時46分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
「編集長の眼」
【まとめ】
・千代田区長選トリプルスコアで小池陣営勝利
・都議会自民党の戦略見えず
・都議選に向け小池旋風加速必至
■トリプルスコアで現職勝利
蓋を開けてみればトリプルスコア以上。下馬評通りと言えばその通りだが、実際に投票結果を目の当たりにすると、小池旋風の猛威が如何に凄いかよくわかる。以下が東京・千代田区長選の結果だ。
石川雅己候補 16,371票
与謝野信候補 4,758
五十嵐朝青候補 3,976
計 25,105
小池都知事と、敵対する勢力のトップとして「都議会のドン」などと有難くないニックネームをつけられた内田茂都議との「代理戦争」と騒がれた今回の区長選挙。連日ワイドショーでも取り上げられた。都民ですら、千代田区ってどの辺?と口々に言い合い、ああ、飯田橋や神田・神保町のあたりか、などと納得したものだ。が、よく考えると皇居も、東京駅も、霞が関も、国会議事堂も、最高裁判所も、丸の内・大手町も、秋葉原も千代田区なんだと知ってちょっと驚いたくらいだ。
しかし人口は5万4千人しかいない。地方自治法上の市制要件をようやく満たすレベルだ。23区で人口は最小、世田谷区の90万人弱と比べるとその少なさに驚くだろう。そこに都議会議員定数1が割り当てられている。「公職選挙法の特例」が適用されているのだが、人口18倍の世田谷区の定数が8なのを見ると如何に定数配分が歪んでいるかがわかる。
■自民動かず
ここで、開票結果をよく見てみよう。そもそも今回投票率が跳ね上がった。53.67%は前回(2013年2月3日施行)の42.27%を11.40ポイントも上回り、区民の関心がいかに高かったかが分かる。前回の区長選における石川氏の得票が8,287票だから、ほぼ倍になった。それに比べ与謝野候補の得票数の少なさが際立つ。第三の候補、五十嵐候補との差はわずか782票しかない。これは自民党の組織票を全く集められなかったとしか思えない。
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