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調査報道メディア「ワセダクロニクル」編集長に聞く (上)

Japan In-depth / 2017年2月19日 11時30分

もう一つは大学という場所が結構開かれたスペースなので。今度もまた、シンポジウムを18日にやるんです。1回目はなかなか人数の枠があるのでそんなに広く公募はしていないんですけど、これから定期的にイベントとかやりますんで、そうすると市民の方とか大学だったら来やすいじゃないですか、公共のスペースで、そういう場所としての魅力ですね。教育面と場所としての魅力、この2つですね。

■調査報道が自分のライフワーク

安倍:朝日にいたときはどちらですか、社会系・政治系?

渡辺:社会部系ですね。あとは調査報道でいうと特報部にいたので。ただ、どれか特定の専門的なとこをやっていたわけではない。

安倍:例の吉田調書問題、あれも関わられたんですか?

渡辺:いやあれは関わっていないです。

安倍:吉田調書問題も慰安婦問題も、そういう社風の問題も一つのきっかけになったんですかね?

渡辺:まぁ、社風というか。どうですかね、あの事件がどれくらい、調査報道に影響したかはわからないんですけれども。今思うと、あれの影響が0とは言わないんですが、構造的にだんだん経営も厳しくなってきてですね、人員も厳しくなってきて、そんななか時間をかけて、リスクもあって、お金もかかるというような、しかもそれがすぐ部数に跳ね返るわけでもなく、テレビでいう視聴率に跳ね返るわけではなくて、それに対してどれくらいの力を社として割くかというと、そこは朝日だけじゃなくてみんな下火になってますよね。

安倍:なるほど。お金かかりますもんね。

渡辺:そうすると僕がちょうど辞めたのが一年前で41歳の時ですから、ちょうど折り返し地点で定年はそこから20年ですよね。そこから先の20年って見通せなくて。それは会社の経営が、というわけではないんですけど。調査報道とかを自分のライフワークとしてやっていこうと思ったときに、果たしてこのままいてできるかというと、厳しいよな、と感じた。

安倍:かなり調査報道に力点を置いていらっしゃるんですけども今後もこれ一本?調査報道に特化したメディアとして追及していきたいと?

渡辺:はい。

安倍:BuzzFeed(バズフィード)みたいな他のメディアでやろうとは考えなかったですか?

渡辺:僕が転職して?あぁそういうことか。いや、ちょっとそれ今初めて思いついたんですけど。まあでも、1から作ってみたいというのもあったし。

安倍:なるほど。相当チャレンジャーですね。

渡辺:いやいや、無謀っていえば無謀なんですけど。

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