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日産ゴーンは去ったのか? その1

Japan In-depth / 2017年3月9日 11時0分

さて取締役会議長として、代表取締役会長として、ゴーン氏の今後の主戦場はどこか、特に取り組むべき課題は何か、大きくは次の2つの事項であろう。

 

1)ルノー・日産+三菱自動車のアライアンス強化による、台数面だけではない、経営面での真の1000万台クラブ入り

そして、

2)フランス政府からの真の独立によるアライアンスの最終形の構築

である。

 

■真の1千万台クラブ入りなるか?

第1の点であるが、1999年にゴーン氏が来日して以来、彼は数字を追及してきた。数字とは、販売台数、経営効率、利益率と言ったものである。自動車は装置産業である、よって販売台数は多ければ多いほど良い、このスケールメリットの拡大を目指す、これが1台当りのコストを下げ、利益率の向上につながる、これをルノーとのアライアンスを通して実行する、、、。

昨年三菱自動車を実質的には買収し、1000万台クラブ入りが目前になったが、3月6日、PSAによるOPEL買収が実現、OPEL及びVauxhallブランドの車がGMの台数から抜けることとなった。GMグループの世界販売台数は、これで1000万台から900万台を割る水準に下がることとなり、トヨタやVWと競っていた1000万台クラブからGMが降りることとなった。ルノー・日産・三菱自連合は、“タナボタ式”に、販売台数でGMを抜いて、世界第3位に躍り出ることとなった。

数値目標は非常に重要な経営のベンチマークになるが、ことこの世界販売台数1000万台という水準には、経営の足をすくわれることもある。GMは1000万台目前で倒産(Chapter 11)となり、トヨタも米国での大量リコールという品質問題に直面、VWに至ってはディーゼル車の排ガス計測の不正と、1000万台クラブ3社総てが問題に直面した販売水準なのである。

 

●中計は未達の可能性濃厚

さてルノー・日産・三菱自連合はというと、現在進行中の中期計画の未達が濃厚となっている。ゴーン会長は1999年の来日以来、コミットメント経営を標榜、会社全体も従業員個々にも数値目標を持たせ、達成を義務とする。達成出来なければ“失敗”の烙印を押される。原則リターンマッチは無い。現在進行中の中期経営計画は2011年に策定された5ヵ年計画で“Power 88”と呼ばれ、今月末までに世界販売シェア8%、営業利益率8%を達成するというものである。

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