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文在寅圧勝、しかしもって3年

Japan In-depth / 2017年5月11日 10時36分

また洪準杓候補の活躍で保守の分裂に歯止めがかかったことも文候補の前途を暗くしている。洪候補が保守分裂の苦境の中で24%もの票を獲得したことは保守の新リーダー誕生を意味する。文候補側が保守を壊滅させると叫んでいたがそれは難しくなった。

 

■少数与党の壁

特に問題なのは国会の議席が過半数に満たず少数与党だということだ。左派中道系の国民の党と極左の正義党の協力を得ても、「与野党間で意見の食い違いがある法案を本会議に上程する場合、在籍議員5分の3以上が賛成しなければならない」と規定した「先進化法」をクリアするのは容易ではない。

約10年ぶりに政権与党に復帰した「共に民主党」は第1党であるものの、議席数(計300)は119に過ぎない。一方、朴政権で与党だった保守系「自由韓国党(旧セヌリ党)」は現在94議席だが、セヌリ党を離党した議員らが結成した「正しい政党」の国会議員の一部が同党を離党し、自由韓国党に復党するとしており、手続きが終われば106議席になる。

40議席の左派中道系「国民の党」は与野党間でキャスティングボートを握り、大規模な離党を阻止して院内交渉団体(20議席以上)の資格を維持した「正しい政党」も無視できない勢力だ。

そのため新政権と「共に民主党」だけでは主な法案の国会通過さえままならないというのが現実だ。政界では新政権が韓国の憲政史上最弱になる可能性があるとの見方も出ている。

■険しい人事の壁−国会聴聞会

首相や閣僚の人事も険しい道となることが予想される。大統領職の引き継ぎ委員会が設置されなかったため、新政権の初代首相や閣僚候補に対する検証が不十分になる可能性も排除できない。国会の人事聴聞会で野党側が反発すれば、閣僚の任命も難しくなる。

■簡単ではない政府の組織改編

政府の組織改編も難しくなる見通しだ。これまでの政権は発足するたびに組織改編で与野党間の攻防があった。文氏は大統領選期間中に

▼中小ベンチャー企業部の新設

▼外交部を外交通商部に改編

▼海洋警察庁・消防防災庁の独立

▼公職者の不正を捜査する組織の設置

▼未来創造科学部の改編

▼教育部の機能縮小

−−などを公約として掲げた。しかし既得権勢力がやすやすと利権を渡すとは考えにくい。首相や閣僚の人事、政府の組織改編、改憲議論などで与野党が対立した場合、新政権が数カ月にわたり機能しない事態も起こり得る。

■改憲問題

さらに改憲議論も今後の政局を左右する変数となる。大統領選で改憲が争点になると、主要候補は2018年の統一地方選で改憲の賛否を問うとの立場を明らかにした。政界では野党側が改憲を材料に与党への圧力を強める可能性が高いとの見方が出ている。

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