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文在寅圧勝、しかしもって3年

Japan In-depth / 2017年5月11日 10時36分

 ■尾を引くスキャンダル

文新大統領には、疑惑が解明されていないスキャンダルも多い。

まず挙げられるのが、2003年の釜山(ブサン)貯蓄銀行問題だ。釜山貯蓄銀行の大株主や当時の大統領府の関係者と会った席で、金融監督員担当局長に、釜山貯蓄銀行への検査に手加減してほしいという趣旨の電話をかけたというものだ。

また対北朝鮮問題では有名な「国連北朝鮮人権決議棄権問題」がある。2007年、当時の盧武鉉大統領と金正日総書記による第2回南北首脳会談(07年10月2~4日)から約40日後の11月18日、盧大統領が主宰した会議で、北朝鮮人権決議案への賛成を求める宋旻淳(ソン・ミンスン)元外交通商部長官と棄権を支持する出席者らの間で論争が激化し、金万福(キム・マンボク)国家情報院長が北朝鮮に直接意見を求めることを提案、文在寅氏がこの提案を受け入れ、南北ルートを使って北朝鮮の立場を確認するとの結論を出したとした疑惑である。この問題は大統領選の過程で訴訟にまで発展したが、今後の火種として残っている。

もう一つ大きな問題は息子の「韓国雇用情報院不正コネ就職問題」である。文大統領の息子は2006年に準政府機関である韓国雇用情報院に採用され就職したのだが、この採用に不正があったのではないかという疑惑である。2006年といえば文大統領が盧武鉉政権の青瓦台民政主席秘書官という国家権力の中枢にいた時期である。この息子は大統領選挙期間中姿をくらましたので自由韓国党が行方を追及している。

その他大小のスキャンダルがあるが、以上の主要なスキャンダルと山積する難題を重ね合わせると、文政権は3年を経ずしてほころびが出るとの見方が有力だ。すでに朴サモ(朴前大統領を支持する勢力)を中心としたセヌリ党(代表チョウ・ウォンジン)は、朴前大統領弾劾罷免事態が法治主義に反し、文大統領のスキャンダルが弾劾に値する内容だとして「弾劾」準備に入っている。

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