対北「敵基地反撃能力」必要 小野寺五典元防衛大臣
Japan In-depth / 2017年5月22日 15時0分
■ 朝鮮有事における邦人保護
細川氏は、「北朝鮮有事の場合、在韓邦人救出のために自衛隊がいくには韓国側の受け入れの許可がないと入れない。」点を指摘した。
最近ワシントンを訪問した小野寺氏は、アメリカでも、北朝鮮の弾道ミサイルの問題について緊張感が高まっている、と紹介した上で、「一番緊張がないのが韓国。見たくない現実はなるべく見ないようにするという雰囲気だ。正面切って日本政府が相談するのは難しい。」と現状を説明した。
だからこそ、「独自で米軍と一緒に、観光客を含め最大約6万人いるといわれている在韓邦人をどのように日本もしくは隣国に速やかに避難させるかは日米で協議をしていく必要がある。」と述べ、アメリカと邦人保護・避難の協議を進める必要性を強調した。
■ ミサイル防衛の必要性
小野寺氏は自民党の「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」の座長として、3月30日に「弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言」を総理に提言した。小野寺氏は、「北朝鮮という国の特異性」について金正男氏殺害事件に言及、(事件が起きた)マレーシアは北朝鮮との国交を一時止めようとしたが北朝鮮は、平壌にいるマレーシアの外交官を人質にしてマレーシア政府と交渉をしたことを例に上げ、北朝鮮は「外交的に何をするかわからない」国であり、だからこそ、ミサイル防衛が必要だ、と述べた。
日本のミサイル防衛は現在、自衛隊のイージス艦からのSM3というミサイルで迎撃する。万一撃ち漏らした場合には陸上に配備したPAC3で撃ち落とす2段構えの構成だ。しかし、「北朝鮮はさらに撃つ能力を高めている」と指摘。実際に北朝鮮は3月に、4発同時にミサイルを発射しており、内3発は日本のEEZ(排他的経済水域)内に到達している。そうした北朝鮮の能力向上に対し小野寺氏は「真剣に自衛隊として考える必要がある。政府が動きにくいのであれば、自民党として提言をまとめて総理に伝えていく。」ことが必要だとの考えを示した。
防衛力の強化は予算もかかるがこの点について、細川氏が現実的に進むのか問うと、小野寺氏は、「防衛予算を増やしたいわけではない。私たちの安全を担保するために必要なものはなにかということで装備をしていく。」と述べた。宮城県気仙沼市出身の小野寺氏も東日本大震災を例にとり、「津波などの被害を防ぐためにはダムや防潮堤など様々な備えをする。ミサイル防衛も同じこと。必要なものを予算として要求をすることは国民を守るために必要。」とミサイル防衛の必要性を強調した。
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