朝鮮戦争特需、米国にも 金王朝解体新書 その4
Japan In-depth / 2017年6月1日 18時0分
結局米軍は、B29を昼間爆撃任務から外さざるを得なくなる。従前のレシプロ(プロペラ式)戦闘機など、ミグ15の敵でなかったことは言うまでもない。言い換えれば、第二次世界大戦を勝利に導いた米軍の航空兵力が、一挙に陳腐化してしまったのだ。
そこで米軍は、F86ジェット戦闘機の大量生産をはじめ、航空兵力のジェット化に莫大な予算を投じることになる。生産力をもてあましていた軍需産業にとって、まさに干天の慈雨であった。
まさか当時の記憶があるせいではないだろうが、昨今の北朝鮮危機に関して、戦争となったら大量の難民が日本にやってくるのではないかとか、東アジアへの投資が激減するのではないか、日中貿易は一体どうなる、といったように、経済的な問題ばかり心配する人が見受けられる。
心配すべきでない、などと言うつもりは毛頭ないが、こういう態度は、ひとつ間違えば、日本人というのは自国経済のことばかり頭にあって、隣国の人々の生命財産などどうでもよいと考えている、といった受け止め方をされかねない。
戦争は二度と嫌だ、と多くの人が言うのだが、戦争で経済が潤っても、そこに本当の豊かさなどはないと、どうして誰も言わないだろうか。
(本記事は、その1、その2、その3の続き。)
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