受動喫煙防止、待ったなし 渡嘉敷奈緒美衆院議員
Japan In-depth / 2017年6月13日 8時45分
■屋内禁煙で足りる
次に細川氏は、飲食店ばかりでなく教育機関などのケースも想定して、「WHOの基準に沿って改正案をつくるには敷地内全面禁煙に取り組む必要があるのではないか」と指摘した。
これに対し、渡嘉敷氏は、WHOの基準のランクを上げるためには屋内禁煙で足りると述べ、現状の厚生労働省案は小中学校・高等学校と医療機関は敷地内禁煙にしたいということになっているが、希望する場合は敷地内の屋外に喫煙所を設けるというやり方も可能にするとの考えを明らかにした。
大学、運動施設、官公庁などの施設もこれに当てはまる。また渡嘉敷氏は、喫煙所を屋外に出すならば環境のいい喫煙所をきちんと作ることを提案し、喫煙者の権利にも配慮を示したが、本質はあくまでも受動喫煙の防止にあることを強調した。
その他施設については、事務所、ホテル宴会場、商業施設は受動喫煙が起こりやすいため、屋内に喫煙所を設けることにしたことを付け加えた。
■高齢化社会の社会保障費
細川氏は、「今後の日本は高齢化社会の中で、日本社会全体の健康増進のためには社会保障費の増額が問題になっていくであろう」と指摘、今後の社会保障制度全体はどうあるべきか聞いた。
渡嘉敷氏は「社会保障費は税金と保険料でまかなっているので、労働人口が減ってきている中で、国民のみなさんの費用負担が増えてくる。(歳入が減れば)サービス改善のニーズに応えるのも、しんどくなってくる。」と今後の見通しを述べた上で「社会保障制度は新しい選択肢にそろそろ挑戦するべき」との考えを示した。「国としていままでのノウハウを生かし、産業をちゃんと興すべきだ。日本は健康で長生きできるノウハウを世界で一番持ってる。そこにビジネスチャンスが沢山ある。健康、医療を産業と捉えて育成することが大切だ。」と述べ、医療分野での成長戦略を進めるべきとの考えを強調した。
また、「国民皆保険制度のおかげで健康寿命は伸びているが、予防は殆ど手を付けられていない。健康寿命を伸ばす余地はまだある。」と述べた。
■地方議会でも議論を
最後に細川氏は、「2020年にオリンピック・パラリンピックを控えた状況で、万が一この改正案が通らなかった場合にはどうするか」と聞いた。
これに対し、渡嘉敷氏は「何が何でも法律で通さないといけない。」とした上で、「法律で、受動喫煙対策に対する方向性を国としてしっかり出す。」と述べ、「タバコを吸うなら、受動喫煙の可能性など、周りの人に配慮する必要性がある。厳しい法律を作るのではなくて、思いやりを日本人自らがきちんと持つことが必要だ。」として、法案成立後に受動喫煙防止を実現するためは、日本人のモラルが求められることを指摘した。
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