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海自ヘリ選定巡る下克上と内局 その1

Japan In-depth / 2017年6月25日 8時0分

▼三菱が開発したSH-60K対潜ヘリ

提供)防衛省

3つめはNH90だ。この機体はユーロコプター(現エアバスヘリ)、アグスタウェストランド(現レオナルド)、フォッカーが設立したNHインダストリーが製造しており、全備重量が10.6トンである。兵員20名あるいは貨物は2.5トンを搭載、懸吊貨物は4トンである。キャビンは通常型で全幅2メートル、全高1.58メートル、全長4.8メートル、キャビン容積は14.9立方メートルである。

キャビンが1.82メートルのハイキャビン型も存在しこれはキャビン容量が17・6立方メートルであり、ほぼ機体規模が同じUH-60よりも35~60パーセント大きい。またランプドアを装備しているので大型の貨物も搭載できる。日本でのマーケティングはエアバスヘリが担当しているが、同社は以前参加した航空自衛隊の救難ヘリ選定の公平性に疑問を持ち、海自の時期汎用ヘリの競争入札を辞退している。

この空自の次期救難ヘリ選定の入札は極めていびつであった。機種選定は公平な入札であるとされていたが、その実態は既存の救難ヘリであるUH-60Jの改良型の採用ありで選定が進められた。当初このプロジェクトはライフ・サイクル・コストも含めて1,900億円あった。通常ヘリ調達費用はプロジェクトの半額程度であるから、40機の調達で調達単価は23.75億円と想定されていた。

ところがこれまでの調達単価は約50億円、約二倍なのだ。同機の導入初年度(平成23年度)の調達は3機で123億円、調達単価は41億円、その後もおおむね40億円程度で推移したが、平成26年度は1機、49億円と高騰している。

*トップ写真:NATO海軍の艦載ヘリとして開発されたNH90©清谷信一

(その2につづく)

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