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フォードトップ独占インタビュー ウーバー・テスラの未来は?

Japan In-depth / 2017年6月25日 18時0分

 



そして第3の点、今期FORDが減益になる要因の1つが、AIや自動運転車への積極的な投資。だが本当にこの投資が、中・長期的な視点で、Cash cowの1つに育つと思っているのか、という筆者の素朴な疑問に対して、FORDの答えは“hopefully yes but not sure(勿論そう願っているが確信は無いよ)”というもの。


自動運転車の時代が来るにしても、またそれが、LEVEL3(自動運転だが人が介在する)、ないしはLEVEL4(人は全く介在しない、完全自動運転)であるなら、2030年から2040年が普及のメドとなる。つまり今後、15年、20年はコストが先に発生し、利益は全く出ないであろう。


激烈な競争下、リターン自体が本当に当てになるものかわからないし、出るにしても相当先の話である。しかし、従来からの競争相手に加えて、シリコンバレーの非自動車企業も、彼らこそが相当の費用と人材をつぎ込み、あと数年以内にはLEVEL4の車を市場投入すると言っている。何もしなければ後にとり残されるだけだ。


米国で今回取材した中で、自動運転車の到来について、疑いを持っている人間は“ほぼ皆無”であった。まだ規制だとか技術進歩について御託をいろいろ並べて、自動運転の到来を信用していない人間が多い日本とは大きな違いである。


自動運転とは視点が違うが、EV車の今後についても、来年から始まる、カリフォルニア州でのZEV規制の強化を契機に、各社から投入計画が発表されており、普及を後押しする政策も多い。Bob Shanks CFOとの別れ際、筆者はこう彼に問いかけた。“時価総額でTeslaは既にGMやFord、ホンダや日産よりも大きくなっている。Wall Streetの連中は頭がおかしいと思うか?”。


1,000万台以上の生産規模を持ち、実際過去最高益を更新するGMよりも、10万台未満の生産規模で利益が一度も出たことの無いTeslaの時価総額が大きいという現実。この問いかけに対し彼は、“一般論として、短期的な結論はともかく、中・長期的な見地から言えば、概ね、Wall Streetは正しいよ”。


 



デトロイトからサンフランシスコに到着した筆者は、ホテル前で面白い車に遭遇した。何とUberの完全自動運転車(LEVEL4)である。公道実験中の模様で、運転席には人が見える。ただLEVEL4の車なら、実際の運転は完全自動ということになる。Uberはサンフランシスコで創業した。現在、その研究の中心はピッツバーグだが、米国全土で公道実験を実施している。セクハラだ、長時間労働だ、技術盗用だと、何かにつけて話題に事欠かない会社だが、Googleと並んで、自動運転の分野に於いては、世界で最も先端を進んでいるとも言われる。


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