北ICBMが後押しする日本の軍事的立場
Japan In-depth / 2017年7月6日 0時55分
③金正恩に対する秘密暗殺作戦を実行し、正恩が暗殺したとされる異母兄・金正男氏(享年45)の長男、金漢率氏(22)を後継に据えて、北朝鮮を親米国家に作り替える。
④北朝鮮に対し開戦して、ソウルと東京を火の海にし、ロサンゼルスに核攻撃を受ける。
など、限られている。どれが一番現実的か。
事態がここまで進み、北朝鮮の背後にいる中露が戦略的パートナーであることが明白になった以上、米国は米朝平和条約締結で金正恩の完全な体制保証を行い、日本は日朝国交を回復させて金正恩を取り込み、日米が協力して中露に対峙させるなど大胆な発想の転換が必要だ。
そうすれば日米の対中・対露軍事コストが大幅に下がる一方、中国の半島国境は安定せず、その覇権追求のコストが莫大になる。東欧や中東で勢力拡大を図るロシアも、極東地域の安保にかけるコストが高くなる。
日本人拉致被害者をすべて還せば、中露と組むより甘く巨大な利権が手に入ると金正恩を誘い、実際に甘い汁を吸わせてやればよい。北朝鮮を中国とロシアに対峙させることで、金正恩を使って日米を追い詰めようとしている習近平とプーチンを「策士、策に溺れる」状態に追い込むのが上策だろう。
もちろん、金正恩が日米と中露を天秤にかけ、ある時は日米につき、ある時は中露につくなど、どちら側の思い通りにもならない可能性は十分に考えられる。だが、それはそれで中露にとり、コスト負担の大幅増を強いることになる。逆に日米はすでに喉元に刃物を突き付けられている現状が変わらないか、逆に良くなるので、少なくとも損はしない。
■日本の取るべき軍事オプション
同時に日本は、数と性能で北朝鮮を圧倒する独自の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や移動式発射台に搭載した小型高性能ミサイル開発も進めて、金正恩がテーブルに着かざるを得なくすることも大切だ。
加えて、元陸将補の軍事研究家である矢野義昭氏が提言するように、日本が独自開発した改良型の超安全・小型・単純原子炉(A4S炉)の超強力エネルギーを使い、レールガン・マイクロウェーブ・高出力レーザーを使用してミサイルを迎撃する指向性エネルギー兵器の研究開発を早急に進めることが、必須だと考えられる。
現在の迎撃ミサイルでは撃ち落とせないロフテッド軌道から落下するミサイルや、数十発同時に飛んでくるミサイルでも、この方式なら撃破可能になるといわれる。また、潜水艦の動力源としても、A4S炉は優れているとされる。中露などに技術が漏れないよう、開発を急ぐべきだろう。
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