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「原爆の日」に感じた違和感

Japan In-depth / 2017年8月20日 17時7分

私にはそもそも広島と長崎へのアメリカの原爆投下の非人道性への非難も当のアメリカ側に向かって述べた体験もある。アメリカのCNNテレビの「クロスファイアー」(2014年放送終了)という視聴率の高い討論番組に招かれ、発言したのだ。

番組には広島、長崎両方の原爆投下ミッションに参加したチャールズ・スウィーニー退役将軍(写真1)が登場し、司会は元大統領首席補佐官のジョン・スヌヌ(写真2)氏だった。1994年のことだが、テーマの今日性はまったく現在も変わらない。

写真1)チャールズ・スウィーニー氏(Brigadier General Charles W. Sweeney) ©City of Boston

写真2)ジョン・スヌヌ(John Sununu)氏 Photo by Nv8200pa

この場で私は原爆投下の人道主義という面での残虐性をあげて、非難し、「当時のアメリカは日本の降伏はすでに確実だとみており、『戦争の早期終結』のために、あえて原爆2発を落とす必要はなかった」と述べた。

その上でのあえての考察だが、広島、長崎の両宣言が核廃絶を訴えるならば、日本の目前の無法な独裁国家の核兵器開発に沈黙を保つまま、というのはいかにも不自然である。

同宣言は北朝鮮を非難せず、逆に日本政府を非難していた。今年7月に国連で全加盟国の6割ほどの諸国が採択した「核兵器禁止条約」(写真3)に日本が賛成しなかったことを批判するのだ。

写真3)核兵器禁止条約を可決した国連 2017年7月7日 出典:国連HP

自国の防衛に核抑止力を取り込んできた諸国はこの核兵器全面否定の条約には反対した。核保有国の態度は明解で断固としていた。アメリカも、イギリスも、フランスも、この条約は現実の無視だと断じ、核抑止力が自国や同盟国の防衛を支えていると指摘して、一方的な核兵器の放棄宣言に等しい同条約への賛成を拒んでいた。

他の核兵器公式保有国の中国もロシアも核兵器禁止条約には明確に反対していた。東西冷戦の期間中の米ソの核対決でも相互の核抑止こそが冷たい平和を保ってきたという認識は国際的なコンセンサスだともいえよう。この現実に対して今回の条約はあまりに無力なのである。

広島、長崎の両宣言は核廃絶を求めながらも、その実際の方法についてはなにも語らない。核廃絶を目指すならば、現実の世界ではまず核兵器の国際的な次元での管理があり、その後に核兵器の拡散防止、そして核軍縮という手順がなければ、核廃絶という展望はまったく浮かんではこないだろう。

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