「原爆の日」に感じた違和感
Japan In-depth / 2017年8月20日 17時7分
田上富久長崎市長(写真4)の宣言は日本政府にアメリカの拡大核抑止による「核の傘」の放棄をも明確に求めていた。他国からの核の攻撃や威嚇に対しこちらも核で必ず報復する態勢を保つことでその他国の攻撃を抑えるのが核抑止である。その抑止を自国だけでなく同盟国にまで提供するのが拡大核抑止、つまり「核の傘」となる。
写真4)田上富久長崎市長 出典:長崎市HP
北朝鮮は日本に対しても核攻撃を辞さない態勢をみせる。その敵性や攻撃性を抑える核の傘がいまほど必要なときもないだろう。だが長崎市長らの宣言はその核の傘を無条件で捨てろと要求する。では日本の防衛や独立はどうなるのか。
実際には8月17日にワシントンで開かれた日米両国政府の外務、防衛閣僚による「2プラス2」の会合(写真5)でアメリカの拡大核抑止、つまり核の傘の日本への適用は公式に合意され、発表された。これ以外にはない現実的な選択だといえよう。
写真5)日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)共同発表
2017年8月17日米・ワシントンDC 出典:外務省HP
一方、朝日新聞は「原爆の日」の報道の一環として安倍首相が核兵器禁止条約に賛同せず、アメリカの拡大核抑止を保持することを「どこの国の総理か」という大見出しの記事で糾弾していた。
だが日本の安全保障への配慮や北朝鮮の核の脅威への対策なしに、一方的な防衛放棄を叫ぶ論調には「どこの国の新聞か」と問いたくなる。
(この記事には複数の写真が含まれています。すべて見るにはhttp://japan-indepth.jp/?p=35629の記事をご覧ください)
トップ画像:長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(平成28年) 出典/長崎市HP
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