高度プロフェッショナル制度反対 連合神津里季生会長
Japan In-depth / 2017年8月27日 0時0分
「細川珠生のモーニングトーク」2017年8月19日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(大川聖)
【まとめ】
・連合「労基法改正案を容認から撤回」との一部報道は誤解。
・高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の範囲拡大には一貫して反対している。
・民進党は新代表の下、社会保障・教育で情報発信を。
7月末、働いた時間ではなく、成果で評価するとして労働時間の規制から外す、高度プロフェッショナル制度の政労使合意が先送りと報道された。
一部報道では、連合(日本労働組合総連合会)は、これまで高度プロフェッショナル制度導入を含む労働基準法改正案を「容認」していたが、それを「撤回」したとされた。政府も進めている働き方改革について、政治ジャーナリストの細川珠生氏が、日本労働組合総連合会会長の神津里季生氏に話を聞いた。
■「容認」→「撤回」報道は誤解
まず神津氏は、高度プロフェッショナル制度を「容認」した、とする一部報道は「誤解」と述べた。「高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の範囲の拡大は当初から一貫して反対し続けている。」と強調した。
現在、年間200人が過労死・過労自殺で亡くなっているという実態があり、高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の範囲の拡大は、「(過労死・過労自殺の)悲劇をまた多く生んでしまう危険があると警鐘を鳴らしていて、制度導入は反対だ」と神津氏は述べた。
一方で、「働き方改革実現会議の結果を経て、長時間労働を是正する法案が秋の国会で出てくるだろう。」と述べ、長時間労働是正に向けた動きに対しては一定の評価を示した。
神津氏は、二年間「店晒し」であった労働基準法改正案に高度プロフェッショナル制度を盛り込むことに対して疑問を呈している。政府は長時間労働是正と高度プロフェッショナル制度の両方を含めた法案を提案しているが、神津氏は「この2つは方向が全く違うため1つにする必要がない」と述べた。
そのうえで安倍一強政治、与党が強い状況なので、「法案を改善・修正を要請した」と述べ、報道による「容認」と「撤回」という言葉は当たらないと改めて指摘した。
■高度プロフェッショナル制度に反対
高度プロフェッショナル制度は、過去2回の安倍政権でも法案にならなかった。今回は年収制限を設けたが、高年収でも過労死になりうる、と神津氏は指摘した。
神津氏は、高度プロフェッショナル制度の中身について、「残業代を支払われない管理職の場合、かろうじて夜中に働いた分は深夜割増の手当てがある。しかしそれすらなくなれば、労働時間は賃金と関係がなくなる。」と指摘した。
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