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ペルー政界に波紋 フジモリ家内紛勃発

Japan In-depth / 2017年9月4日 10時38分

ペルー政界に波紋 フジモリ家内紛勃発

山崎真二(時事通信社元外信部長)

【まとめ】

・ペルーのフジモリ元大統領の長女ケイコ氏と次男ケンジ氏の確執が表面化。

・2017年春からケンジ氏は党指導部に反発、収監中のウマラ前大統領面会で党から懲罰受ける。

・フジモリ氏は自身の恩赦問題に消極的なケイコ氏よりケンジ氏を次期大統領選に推す意図が背景にある、との憶測も。

 

 フジモリ元大統領の長女ケイコ氏と次男ケンジ氏の確執が表面化、ペルー政界を揺るがせている。

ケイコ氏は昨年の大統領選決選投票でクチンスキ現大統領に得票率わずか0.2%の差で惜敗したものの、現在は最大野党「フエルサ・ポプラル」(FP)党首としてペルーの最有力政治家であることは誰もが認めるところ。

▲写真1:ケイコ・フジモリ氏  出典) Congreso de la República del Perú

▲写真2:ペドロ・パブロ・クチンスキ ペルー大統領 2016年6月  Photo by Cobot156

 

一方ケンジ氏は昨年の国会議員選挙で国内最多の得票を得て再選され、政治家として急速に頭角を現している。最近の世論調査ではケイコ氏に次ぎ人気度ナンバー2だ。

■「一線を越えた」ケンジの言動

▲写真3:ケンジ・フジモリ氏  出典)flickr  Congreso de la República del Perú

ケンジ氏のFP指導部への反発が目立ち始めたのは今春から。3月、宗教団体の性的虐待事件をめぐるFPの対応が不十分と批判。6月にはFP主導でトルネ経済・財政相の不信任案が国会で可決された際、反党的な言動をとった。

とりわけ、FP指導部の神経を逆なでしたのは、7月に収賄容疑で収監されたウマラ前大統領にケンジ氏が面会したこと。リマのテレビ報道によれば、ケンジは父親のアドバイスに従い、ウマラ前大統領にパンや毛布を差し入れ、和解のゼスチャーを示したという。

▲写真4:ロシアのプーチン大統領と記者会見に臨むオジャンタ・ウマラぺルー前大統領 2014年11月  出典)President of Russia

ウマラ氏はフジモリ元大統領のかつての政敵で、2011年の大統領選では決選投票でケイコ氏を破った因縁の人物。FPとしてはケンジ氏の行動が許し難いものであったことは疑いない。FP幹部の一人は「ケイコは弟が越えてはならない一線を越えたと判断した」と話す。

父親はケンジを全面擁護

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