「希望の党」小池氏は全面関与を
Japan In-depth / 2017年9月24日 17時1分
まさに安倍首相・自民党総裁の解散戦略の要諦はそこにある。まず、ぼろぼろの民進党を完膚なきまで叩き潰すこと。そして、「小池新党」が台頭して厄介な存在になる前に出鼻をくじくことである。
今回の解散総選挙に「大義」がない、とか書いている新聞があるが、何をか言わんや、だ。政治は「タマの取り合い」だ。今この時期に相手を殲滅できると思ったから解散する。それ以外に「大義」などないと言っていい。
ところで正直、若狭氏も10月の選挙は想定していなかった。したがって今慌てて候補者選びに奔走しているだろうが、おいそれといいタマが何十名も集まる訳がない。若狭氏の政治塾「輝照塾」の応募が600人程度、そのうち200人ほどが選抜されたというが、そもそも供託金300万円(小選挙区)・600万円(比例代表)を自腹でポンと払える人はそう多くはないだろう。
塾員も声がかかるかどうか首を洗って待っている状態だが、今時点で声がかからないなら、準備が間に合わないしもう立候補は諦めざるを得ない、との声も聞こえてくる。
そこで、話は戻るがやはりなんだかんだいってもこの党は「小池新党」なのだ。東京都議選を思い出せばよい。あの時も小池旋風が吹き、政治経験のない無名の候補者がその選挙区でトップ当選したではないか。小池氏の名前はそれほどインパクトがある。
新党の代表、100歩譲って共同代表に小池氏がならない限り、まず風は吹かないだろう。良くも悪くも小池氏の知名度を借りなければこの党の躍進はない。
若狭氏にかつて「新党の代表は誰がふさわしいか?」と聞いたところ、フランスのマクロン大統領の例を挙げた。39歳の無名の若者だってあれだけの風を起こして大統領になったのだから必ずしも代表は知名度がある必要はない、ということだった。
しかし、マクロン氏は若くてハンサムなだけでなく、エリート中のエリートであり、投資銀行から2012年には大統領府入り、2014年からはオランド政権で経済相を務めたつわものである。反既得権益を前面に打ち出し、既存の政治エリートでないところが左派、右派双方の穏健派に支持され、彼らの票をかっさらった。米トランプ氏が大統領になったのも政治エリートではなかったところが国民に受けたからであろう。
▲写真 仏マクロン大統領 2017年9月17日 出典:elysee.fr
これらはあくまでフランスやアメリカで起きた事であり、日本に当てはまるかというとそれはない、と私は思う。社会構造も有権者の意識も日本と米仏とは全く違う。無名の党首の新党を支持するような投票行動を日本の有権者がとるとは到底思えない。
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