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シンガポール初女性大統領 予想外の反発

Japan In-depth / 2017年9月24日 20時9分

シンガポール初女性大統領 予想外の反発

大塚智彦(Pan Asia News 記者)

「大塚智彦の東南アジア万華鏡」

 

【まとめ】

・シンガポールに初の女性大統領(第8代)が誕生。初代大統領以来のマレー系。

・リー・クアンユー首相とその一族による世襲に近い支配の印象を薄め、政権基盤を強化する狙いがある。

・「リー王朝支配」や「リー一族の内紛」などに市民は反発、抗議集会が開かれ「初の女性大統領」誕生も色あせている。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全てが表示されず写真の説明と出典のみが残っていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトで記事をお読みください。】

 

シンガポールにマレー系のハリマ・ヤコブ前国会議長(63)が史上初めて女性の大統領として無投票で選出され、第8代大統領に就任することが決まった。

 

写真)聾唖施設を訪問するハリマ・ヤコブ大統領 2017年9月16日

出典)シンガポール大統領府

 

シンガポールの大統領職は最高裁長官や警察総監、国防長官、司法長官など政府高官の任命権や国庫準備金関連の権限などごく限られた職権しか有しない極めて象徴的、名誉的な役職に過ぎない。

 

しかし人口568万人(2017年4月)のシンガポールは中国系国民が74%と圧倒的多数を占め、マレー系13%、インド系9%と続く多民族国家であり、「民族の調和」を基本政策として掲げている。

 

写真)マーライオンとシンガポールの高層ビル群.

Photo by ペウゲオト

 

このため名誉職である大統領にも「過去5回大統領に選出されていない民族の人物が次の大統領の候補となる」というリー・シェンロン首相による昨年の法律改正で、今回はマレー系候補者の選出が前提とされていた。

 

大統領選には5人が名乗りを上げたものの、2人はマレー系以外、2人のマレー系実業家は民間人の場合の「資本5億シンガポールドル(約400億円)」以上の企業の会長か最高経営責任者の経験者」という資格要件を満たさなかった。

 

このため選挙管理委員会は国会議長経験を持つマレー系女性のハリマ女史を「政治家として3年以上の政府要職経験者」という唯一の資格保持者として9月23日に予定されていた投票を待たずに「無投票での当選」とした。ハリマ女史は大統領としては初代のユスフ・イサク大統領(1965~1970年)以来のマレー系大統領となった。

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