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歪んだ世界の日本観1 かっこいい日本と残酷な日本

Japan In-depth / 2017年9月30日 9時50分

歪んだ世界の日本観1 かっこいい日本と残酷な日本

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

「古森義久の内外透視」

【まとめ】

・欧米では日本の良い面でなく、悪い面ばかり取り上げている報道がかなりある。

・称賛と批判の2つの面を「クール・ジャパン(cool Japan)」と「クルーエル・ジャパン(cruel Japan)」と呼ぶ。

・日本に対する新たな(ネオ)人種差別(レイシズム)、文化的な(カルチユアル)人種差別が存在する。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全てが掲載されず、写真の説明と出典のみ残っていることがあります。その場合は、http://japan-indepth.jp/?p=36376のサイトで記事をお読みください。】

 

世界は日本をどうみるか。これはわが日本にとって永遠の課題である。日本ほど外部世界との円滑なきずななしには生きにくい国も少ない。だから日本にとって対外協調は常に国の存立にもかかわる超重要な目標なのだといえる。

そこで核心となるのは世界が日本をどのように認識しているか、である。世界の日本観だといえる。その日本観は世界のメディアや専門家たちが日本をどう伝えるかに左右される。そもそもアメリカやヨーロッパで日本はどう認識されているのか。アジアではどうか。その日本観を日本側が知ることは不可欠だといえよう。

この世界の日本観というテーマに長年、取り組んできたのがアメリカ人の日本研究学者アール・キンモンス氏である。アメリカのウィスコンシン大学で日本研究の博士号を得て、カリフォルニア大学やイギリスのシェフィールド大学、さらには日本の大正大学で教えてきた正統派の学者で、いまは大正大学名誉教授という立場にある。

私(古森義久)も日本の新聞記者としてアメリカ、ヨーロッパ、アジアに長年、駐在し、その地の日本を視る目というのを観察してきた。世界の日本観という課題には直接に接してきた。

その2人で世界の日本観の光と影を自由に論じてみた。

 

▲写真 古森義久氏 ©Japan In-depth編集部

以下はその対談の内容である。

アール・キンモンス(大正大学名誉教授):外国人が日本の伝統や技術を称賛して「驚きました」とか「スゴイデスネ」とか、日本を褒め讃えるようなテレビ番組が、いま非常に多くなっていますね。書店に入れば、日本は世界の尊敬を集めているとか、なぜ日本は愛されるのかとか、そういうタイトルの本があふれている。まあ、それも間違いではない。決して嘘ではないけれど、しかし、実のところ欧米では日本の悪い面ばかり取り上げている報道がかなりあるのです。それどころか、まったく根拠のない批判をする場合もある。

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