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“国歌斉唱不起立”に見る米人種問題の本質1

Japan In-depth / 2017年10月3日 1時14分

“国歌斉唱不起立”に見る米人種問題の本質1

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」

【まとめ】

・米NFLの選手達が黒人への暴力に抗議して国会斉唱時に片膝ついて抗議。トランプ氏は「首だ!」と発言。

・その陰で、黒人に対する公権力による暴力の問題は看過されている。

・選手達は「非常手段」としての米国旗への抗議で、問題を可視化しようとしている。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ残っていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36459で記事をお読みください。】

 

米プロフットボールリーグ(NFL)の試合前、選手たちが黒人への暴力に抗議して国歌斉唱の際に片膝をついて起立を拒んだり、互いに腕を組んだりして団結の意思を示したことに関し、トランプ米大統領(71)は「国歌斉唱で起立しないような選手は解雇するべきだ」と発言。これに選手たちが「片膝抗議」で応え、全米で議論が沸騰している。

また先月にはバージニア州シャーロッツビルで、南北戦争における南軍の英雄リー将軍像の撤去に反対する白人至上主義者と、それに抗議する人々が衝突した事件が起こり、米国の国論が二分されたことは記憶に新しい。

だが、これらの抗議が明確にしようとする、黒人に対する現在進行形の公権力による暴力や、現在も全米で続いている白人優位の制度設計が、「国歌に対する尊敬の念の欠如」「スポーツイベントで選手に期待される振る舞い」や「モニュメントのあり方」にすり替えられてしまい、肝心の人種問題の本質が見えなくなっている。

具体的に何が見えなくなっているのか。なぜ、見えなくなるのか。探ってみよう。

 

■ 今、見えていること

今、保守・リベラル双方の米主流メディアでは、トランプ大統領の発言にあわせて報道のあり方を決めている。たとえば、トランプ氏は9月22日の支持者集会で、黒人選手が4分の3を占めるNFLで最初に抗議行動を始めたコリン・キャパニック選手(29)や同調者たちを念頭に、「NFLチームのオーナーが、我々の国旗に不敬な態度をとる奴に、『あのあばずれの息子をすぐにグラウンドからつまみだせ。出てけ。クビだ』と言ったら最高じゃないか」と発言し、声援を浴びた。これは、視聴率や部数やウェブ閲覧数が稼げる絶好のニュースだ。

▲写真 コリン・キャパニック選手 Twitter : Colin Kaepernick @Kaepernick7

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