“国歌斉唱不起立”に見る米人種問題の本質1
Japan In-depth / 2017年10月3日 1時14分
■ 今、起きているが見えないこと
だが、一連の出来事を黒人たちの側から見ると、物事が単純でないことがわかる。元ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)の黒人スター選手で実業家のマジック・ジョンソン氏(58)はいみじくも、「トランプ大統領は、選手たちの抗議を問題化するのではなく、彼らが抗議している問題に取り組むべきだ」と述べている。
黒人側から見れば、どれだけ不当な扱いを訴えても問題化されない絶望感から、選手たちは「非常手段」としての米国旗や国家への抗議で、問題を可視化しようとしている。彼らは注目を浴びたいのではなく、注目させたいことがあるのだ。
なのにその行動が、彼らの愛国心やプロとしての振る舞いの問題にすり替えられてしまい、絶望に絶望が重なっている状態だ。では、選手たちは何に対して抗議しているのか。
黒人ニュースサイト『ザ・ルート』のテレル・スター上席記者は、「2017年、白人たちが国歌斉唱時に起立する。だが彼らのほとんどは、黒人を射殺した警察官が『やらなければ、やられるという恐怖があった』との根拠のない言い訳の影に隠れることに、無関心な沈黙で着席したままだ」と、黒人側から見た不起立問題の本質を指摘した。
そのような絶望を、黒人メディアの書き手たちが次々と、具体的に綴っている。次回で紹介したい。
(下に続く。全2回)
トップ画像:ボルティモア・レイブンス ジャクソンビル・ジャガースとの対戦前の国歌斉唱 2017年9月24日 出典/NFL
この記事に関連するニュース
-
焦点:「反白人感情」と対決誓うトランプ氏、支持者に被差別意識
ロイター / 2024年5月8日 13時54分
-
トランプ氏、極右事件矮小化 ガザ学生デモと比べ「ささい」
共同通信 / 2024年5月6日 8時38分
-
米大統領選でトランプは復活するのか…イェール大名誉教授が教えるアメリカ人の本音とは
プレジデントオンライン / 2024年5月2日 9時15分
-
バイデン氏、黒人票固め 運動団体に格差是正訴え
共同通信 / 2024年4月13日 7時29分
-
O・J・シンプソン76歳で死去 スター選手か元妻殺人犯か、息子のSNSにも複雑コメントが殺到
ねとらぼ / 2024年4月12日 18時37分
ランキング
-
1フィリピン政府 中国大使館員を“国外追放”方針 領有権問題めぐり「悪質な妨害工作」 中国側「うしろめたさ感じている証」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月10日 20時43分
-
2イスラエル、ハマス同意の休戦案を拒否…ラファへの大規模侵攻姿勢を固持
読売新聞 / 2024年5月10日 19時33分
-
3韓国政府「持分売却を圧迫と認識され日本政府に遺憾」 LINEヤフー問題を受け
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月10日 17時28分
-
4トルコ、イスラエルとの貿易停止措置の緩和は「事実無根」=商務相
ロイター / 2024年5月10日 13時19分
-
5ウクライナ北東部「突破の試み」=ロシア軍が攻撃強化、1キロ侵入
時事通信 / 2024年5月10日 23時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください