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社会保障改革を進めよ 法政大学教授小黒一正氏

Japan In-depth / 2017年10月11日 18時20分

社会保障改革を進めよ 法政大学教授小黒一正氏

「細川珠生のモーニングトーク」2017年10月7日放送


細川珠生(政治ジャーナリスト)


Japan In-depth 編集部(大川聖) 


【まとめ】


・安倍首相が提案している、消費税増税の使途を教育に充てることは評価できるが、財政再建の見通しは不透明。


・財政再建は、教育、子育て対策と同時に社会保障改革が必要。


・消費増税を凍結し歳出改革するのは現実的ではない。


 


任期を残した衆議院の解散を安倍首相は「国難突破解散」と述べた。争点として、北朝鮮問題への対応や消費税増税の使途の見直しが挙げられている。安倍首相は、2年後の消費税増税の増収分5.6兆円のうち約2兆円を幼児教育、高等教育無償化等、教育関係に充てることを提案した。少子化が進む中で安倍首相が打ち出した政策について、政治ジャーナリストの細川珠生氏が法政大学経済学部教授小黒一正氏に話をきいた。


 


■ 消費税増税の使途を教育に


小黒氏は「社会保障は全体として高齢者の年金、介護に偏っている。他方で、家族関係支援も含めて若者に流れているお金はGDPの約1%、5兆円程度しかない。その中で全世代型の社会保障を作っていくという姿勢については評価している。特に教育は、国の成長のエンジンの一つなので、そこに焦点を当てるのは悪くない。」と述べ、教育に力を入れることに対して一定の評価を示した。


一方で「消費税を2%引き上げて財源が大体5兆円程入るが、もともとそのうち4兆円は借金の返済に使う予定だった。2兆円を教育の無償化や子育て支援に充てることになるとその分借金が膨らむことになる」と述べ、国の借金返済の財源は確保されていない問題点を指摘した。


 


■ 財政再建


細川氏は「プライマリーバランス(の黒字化)の先送りも表明した。日本にとっては、借金返済が遅れていく。こどもには少しお金が回るが、国全体の財政は良くならない。これは国民にどういった影響が出てくるか」と質問した。


小黒氏は「まず、2019年に消費税を引き上げた後の財源の組み換えをしないという条件で、内閣府は、経済再生ベース(高成長シナリオ)とベースラインケース(今の現実に近い形で経済が推移するシナリオ)の2つで、中長期試算を公表している。


ベースラインケースの場合、消費税を2%引き上げたとしても、基礎的財政収支(プライマリーバランス:PB)と呼ばれる税収と政策経費の差が、大体10~11兆円くらい赤字になる。


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