歪んだ世界の日本観3 セックスレスの日本人
Japan In-depth / 2017年10月13日 12時19分
古森:イギリスは『ザ・サン』のようなゴシップを中心としたタブロイド紙が主力で、普通の人はほとんどそっちを読んでいる。部数が圧倒的に多いから、影響力も強いわけです。
しかし、それとは別に『ガーディアン』とか『タイムズ(ロンドン・タイムズ)』のようなクオリティペーパーがあり、こちらは信頼できる良質なジャーナリズムだとされている。
しかし、いまのキンモンス先生の話を聞くと、それもなんだかあやしくなってきますね。それはやっぱり読者がそういうものを喜ぶから、それにおもねっているということなのでしょうか。
キンモンス:イギリスの公共放送、BBCは2013年に"No sex, please."という日本の特集番組を放送しました。日本人はセックスをしないので人口が減っているといい、日本の将来の姿として最初の10数分間、北海道の夕張の街を取り上げていた。しかし、夕張の人口減少は、炭鉱が閉鎖してしまったからであって、セックスとはまったく関係ない。これは偽りの情報です。
そして、番組のかなりの部分を使って、生身の女性より、モニター上のバーチャルな女性に夢中になる「おたく」こそ日本のごく一般的な男性であるかのように紹介していました。日本人の学生は、「ああいうヤツはいないわけではないけれど、きわめて少数派ですよ」と言っていました。
古森:ひどい偏向報道ですね。
キンモンス:もう一つのテーマは言葉です。たとえば「ひきこもり」とか「マタハラ」とかいった言葉ですね。
古森:マタニティ・ハラスメント、略してマタハラ。変な言葉ですね。アメリカではそんな言い方はないんでしょう。マタニティ・ハラスメントというのは日本での造語です。
キンモンス:アメリカでは「プレグナンシー・ハラスメント(Pregnancy harassment)」と言いますね。アメリカでは妊娠中に重労働をさせられたとか、侮辱されたとか、けっこう法廷に持ち込まれるケースが多い。しかし、「マタハラ」のような日本語を使うから、それを外国人記者が使うと、どの国にもある一般的な現象が、いかにも日本にしかない独特の問題のような印象を与えるのです。
古森:日本で作られた奇妙な言葉が英米のジャーナリズムの記事に使われて、いよいよ日本はおかしな国だと宣伝されることになる。
キンモンス:「ひきこもり」も同じ。ある外国人記者が「ひきこもり」は、個人より集団を重んじ、出る杭は打たれる日本独特の現象だと言っていた。でも、それは違います。子供の頃、私のおじいさんは「ひきこもり」でした。それは1950年代のアメリカのことですが、現代の日本の「ひきこもり」と変わらない。ただ、日本語の名称が付くと、それがいかにも日本にしかないもののように議論されるのです。
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