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日本を解凍する?少数株主シンデレラストーリー1

Japan In-depth / 2017年10月19日 14時14分

少数株と言っても一族で42%もの大株主であるにもかかわらず、株を捨てたいとまで言わせることに困っていらっしゃることがありありと伝わってきました。そこで、どうしてこのような株という財産を捨てたいという痛切な、通常考えにくい相談があったのか改めて事情を詳しくうかがってみました。

すると、このご相談には3つの、解決すべき問題点があることが分かりました。これを解決すれば、その根本は日本経済の再起動につながる!と思いました。

 

安倍:再起動ですか?具体的にはどういうことなんでしょうか?

 

牛島:1つ目は、非上場同族会社にコーポレート・ガバナンスが機能していないこと、2つ目は、現行の会社法の下では非上場同族会社の少数株主は会社に株式の買い取りを強制できないこと、3つ目は、硬直的な相続税の評価方法です。

 

安倍:まず、1つ目の非上場同族会社にコーポレート・ガバナンスが機能していないというのはどういうことですか?

 

牛島:非上場の、特に同族会社は、支配株主と経営者が一致していることが多く、他に少数株主がいても、その利益のために経営を行うという意識はまったく希薄であるということです。このような会社では、会社の利益は主に役員報酬に充てられ、剰余金の配当という形で株主に分配することはまれです。その結果、経営に携わっていない株主は会社から経済的利益をほとんど得ることができないという状況に放置されていることが多いのです。

 

安倍:少数株主としては、会社に不満があるなら株式を売却して資本を回収すればいいですよね。これが2つ目の問題点ですか?

 

牛島:理屈としてはそのとおりですが、非上場会社の場合はそれが難しいのです。法律の建前では、非上場会社の株も買主が見つかれば必ず売却できることになっています。しかし、誰にとっても非上場会社の少数株主となるメリットなど無いため、実際問題、買主を見つけることなどできないのです。

そこで、会社に買い取って欲しいと申し入れる株主もいますが、現行法の下では、会社に、株主からの申入れに応じる義務はないので、株主の側から株式の買取りを強制することはできません。結局は不当な安値で手放すことになります。

安倍:3つ目の硬直的な相続税の評価方法についても教えて下さい。

牛島:非上場同族会社の株式を相続した場合、相続税の算定のために税務署は株式の評価をします。

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