仏紙も報じた「過労死(KAROSHI)」
Japan In-depth / 2017年10月19日 23時31分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・NHK記者の過労死を仏紙も一斉に報じた。
・日本の働き方と西洋の働き方は明治時代から根本的に違っていた。
・日本は働く時間を減らすべきだが、独自性を無くしてはいけない。
【この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36786で記事をお読みください。】
NHKの記者佐戸未和さん(享年31)の過労死がフランスでも各紙で報じられていた。月間の残業が最大159時間に及んでいたことを信じられないこととし、「Karoshi」の単語とともに日本の長時間労働の問題を取り上げている。
パリジャンの記事
これらの数字によると、日本の従業員は平均して2024時間(フランスでは1607時間)以上働いていた。また、従業員の7.7%が毎週20時間以上の時間外労働をしています。
rfiの記事
政府報告によると、3月末に発表された2016年度の過労死は、191件。過労による犠牲者は2015年に記録された96件から急激に増加した。
フィガロの記事
日本で週49時間以上働いている労働者は22%。これは、日本では5人に1人、過労により職場で死亡する危険性があるということ。ちなみに他の国は、アメリカ16.4%、イギリス12.5%、フランス10.4%、と言う状況となっている。
こういった日本の働き方に関するニュースを見ると、明治時代にアメリカに住んだ杉本鉞子氏によって書かれた「武士の娘」が思い浮かぶ。そこには、「いつも驚きの種になるのは召使い」から始まり、日本とアメリカの労働者との比較が書かれているところがある。例えば内容としては、下記のようなものだ。
▲「武士の娘」(ちくま文庫) 文庫 1994/1/1 杉本 鉞子(著), 大岩 美代 (翻訳)
「日本では、召使いは地位は低くても、家族として扱われ、主人と共に喜び、共に共感し、また主人も、召使いを親身になって世話したものであり、感謝されることに大きな喜びを感じ仕事をしてきた。しかし、アメリカの召使いは仕事以外のところに楽しみがあり、働きの代償としてお金を考えている。お金に精神的な価値など認めておらず、時間が終わればすぐに帰る。主人も召使いの一身の責任を負うことはない。」
これを読むと、日本人の働き方と、アメリカとの働き方は、すでに明治時代から根本的に違っていたことが理解できるだろう。
現代のフランスにおいても、一般労働者の楽しみは仕事以外のところにあることは当時のアメリカと同じであり、残業時間が適応されない管理職を除けば、仕事の時間が終わればすぐに帰るのが普通だ。
この記事に関連するニュース
-
部下がいわゆる「モンスター社員」で、仕事中でも平気でスマホゲームをします。そのせいで仕事が残っても「残業はしない主義」とのことですが、最悪の場合は解雇も可能でしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月15日 2時20分
-
注目浴びるTOKYO BASEの「初任給40万円」、実は「公序良俗に反して無効」の可能性 弁護士が指摘する「固定残業代80時間分」の問題点
J-CASTニュース / 2024年3月14日 16時59分
-
社説:医師の残業規制 「特例頼み」を続けるな
京都新聞 / 2024年3月14日 16時0分
-
日教組「長時間労働に歯止めを」約69万人分の署名提出 文部科学大臣と中教審に
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年3月13日 16時4分
-
ビッグモーターを書類送検 違法な残業させた疑い
共同通信 / 2024年3月1日 15時3分
ランキング
-
1北朝鮮が衛星発射「準備中」=ロシアにコンテナ7000個超―韓国国防相
時事通信 / 2024年3月18日 20時1分
-
2台湾けん制、北朝鮮擁護も=中国外務省の新報道官
時事通信 / 2024年3月18日 19時48分
-
3習氏、プーチン氏の大統領選勝利に祝意 中ロ関係強化へ
ロイター / 2024年3月18日 19時38分
-
4北朝鮮、発射は「超大型放射砲」 6発一斉、金正恩氏が訓練指導
共同通信 / 2024年3月19日 9時34分
-
5ロシア大統領選での圧勝はなぜプーチン凋落の始まりか
ニューズウィーク日本版 / 2024年3月18日 17時21分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください