北朝鮮と「対話」の糸口探せ
Japan In-depth / 2017年10月22日 22時2分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・北朝鮮、2年以内に米本土に届くICBM実戦配備の可能性も。
・水面下で接触や交渉を行っている米朝。トランプ氏の“脅しのディール”が功を奏している可能性あり。
・安倍首相は北への“圧力”ばかりでなく、対話に応ずる条件や土俵づくりを行うべき。
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■金正恩委員長の人物と思想
北朝鮮の最高指導者・金正恩朝鮮労働党委員長とは一体どんな経歴を持った人物なのだろうか。第2代最高指導者だった金正日総書記の3男で祖父は初代最高指導者だった金日成主席、母は大阪出身の在日朝鮮人の高英姫氏とされる。
写真:プーチン露大統領と金正日総書記(当時)2001年8月4日 出典)ロシア大統領府
1984年1月生まれで、幼少期は日本文化にもふれていた。1996年よりスイスに留学していたが2000年に帰国。金日成総合大学と軍の教育機関・金日成軍事総合大学で情報工学などを学んだ。
当初は長男の金正男や次男の金正哲が後継者になるとの憶測もあったが、2009年に入り金正恩後継が有力視され2011年に父の金正日が死去すると、同年12月末に「金正恩を党、軍、人民の最高指導者とする」と公式に宣言し、以後最高指導者、将軍などと呼ばれるようになった。
2012年の金日成生誕100年に際し、軍事優先の先軍政治を再確認するとともに核ミサイルの開発を優先することを明言している。
権力を握ると人民武力部長、人民軍参謀総長など軍上層部の処分を繰り返し、権力中枢にいた7人のうち5人を粛清、更迭した。この中にはNo.2で親族でもあった張成沢氏もおり処刑した。正恩体制になってから処刑された幹部は100人を超すといわれる。
■アメリカに代価を払わせる
2017年になるとトランプ米大統領の国連演説に対し「国家と人民の名誉、そして私自身の全てをかけ、わが国の絶滅を述べた米国指導者の暴言に代価を払わせる」と反発。
独特の髪型、バスケットボール好き、ヘビースモーカーとしても知られ、妻の李雪主との間に3人の子供がいるといわれている。父親の金正日に比べるとバランス感覚に欠けているように見え、暴君ぶりがいろいろと伝えられている。
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