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北朝鮮と「対話」の糸口探せ 

Japan In-depth / 2017年10月22日 22時2分

特に2007年の6者協議(米、朝、韓、中、露、日)以来、何度も北の核・ミサイル開発凍結を話合い何度か合意はしたものの、結局最終的には全て北の手によって破棄されてきたのである。特に米ブッシュ政権の強硬姿勢とこれに対応する北の核実験などで会談はしばしば中断された。

それでも父親の金正日政権の下では段階的に北が核を破棄することで合意したこともあった。一時はこの合意に伴ない北朝鮮は核施設の凍結、核の無能力化も約束、段階的に核廃棄することで合意したのである。

しかし2008年に金正日総書記が脳卒中で倒れ、その後を告いだ金正恩は権威を高めようとして再び強硬路線に変え、2009年に2回目の核実験を行なった。2011年末に金正日総書記が死亡すると金正恩は「核開発と経済改革を同時に進める」と宣言。

 一方、米国でオバマ政権が登場すると、北朝鮮の挑発に対し「北が具体的な非核化への行動をとらない限り対話に応じない」とし、6者協議も開かれなくなった。この間のアメリカ側などの北朝鮮に対する放置が、逆に北のミサイル開発の時間を与えたのではないかという批判も多い。

北朝鮮はその間、開発をやめる条件として北朝鮮を敵視しない政策の保障や在韓米軍の撤退などを求めているため、一層対話再開が難しくなってしまった。

 

■注目される米トランプ政権の対応

 ただ、2017年のトランプ政権の登場で状況は少し変わりつつあるかもしれない。トランプ氏は登場するや否や「北朝鮮を爆撃で火の海にしてやる」といい、軍事シナリオを含めたあらゆる方策がテーブルにあると北を脅すディール(取引)に出ている。これに対し北もグアムや日本への攻撃も示唆している。

この間、トランプは中国とロシアに北へもっと圧力をかけるよう要請したり、安保理の経済制裁などを次々と強化し、石油関連輸出を3割削減するなど国際的締め付けの輪を広げている。こうした「圧力」路線に中国、ロシアは反対の意向を示し、対話すべきだと強調している。

しかし実際には中国、ロシアとも追加制裁に賛成しながら話合いの糸口を探している。また、トランプ政権と北は水面下では様々な接触、交渉を行なっている模様で、案外トランプ大統領の“脅しのディール”はある程度、功を奏しているようだ。

 両国の言葉のやりとりをみていると一触即発の状態にあるようにみえるが、共に全面戦争は避けたいのが本音なのだ。

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