クールジャパン戦略、曲がり角
Japan In-depth / 2017年11月18日 18時4分
事実を見据えて的確に行動したからこそ一定の目標を達成できたのであろう。
例えばフランスのバスク地方のベレー帽が素晴らしいからと言って、突然ベレー帽の専門店を日本に作っても、少しは売れるだろうが、バスク地方で売れている量が売れるかと言えばそれはノーだろう。なぜなら、日本はバスクのように、日常毎日ベレー帽をかぶる習慣はないからだ。
同様に、「日本そのもの」を海外に持ってきても、それはただの押しつけでしかなく、地元の人の心をつかむのは難しい。例え目的が日本の製品を売ることであったとしても、必要な物を必要な人のところに届けることは物を売ることの基本であり、必要な物を知るためには十分なマーケティングが重要だ。
そう考えると、より確実と思える厳選した大きめな企業に投資をすることでリスクも低くなると言う考え方もあるのだろうが、多くの人を巻き込んで多くの情報を得てターゲットを正しく定めたり、販売ルートを増やすことも大切なのではないだろうか。
海外のことをよく知っている現地の日本人のネットワークを築いて多くの人が情報を共有し、より多くの企業のマーケティングなどに役立てるような情報支援活動や、海外に強い人材を育てるという視点で、若者にチャンスを与えるような形で投資するなど、多少、違う視点で活動を考えるのもいいかもしれない。
現在フランスで行われている、スタートアップの支援はそういった点では参考になる。
マクロン政権になって始まったスタートアップのプロジェクト「La french Tech」が、まず、最初にしたことは起業家たちのネットワークづくりだ。
起業するためにお互いに情報交換ができる場作りからはじめ、フランス企業の国際展開や貿易振興の支援や、民間投資家からの投資を得るためにサポートが行われている。例えばテーラーメイドの起業サポート。この企業にはこのパートナーが、このクライアントが、この投資家が合うというように“正しい人”をマッチングさせる。その実現のために、該当企業をシリコンバレーやニューヨークへ10週間送り込み、毎日色々な人々とのミーティングを設定、最終的には資金調達へつながるようサポートなどを行っているのだ。
そういった、個人にはできない部分を国の組織がサポートし、多くの起業家を育てた結果、米ラスベガスで開かれた世界最大級のデジタル家電見本市CES2017等を始めとする各見本市では、フランスから来たメンバーは数も多く質も高く、他国を圧倒した。投資もまだ入っていないアマチュア並みのブースがある中、フランス勢の完成度の高さによって起業家の本気度が伝わり、フランスのスタートアップやデジタル製品に対する大きなイメージ向上にも貢献しているのだ。
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