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シリア難民中継国ギリシャの苦悩

Japan In-depth / 2017年12月14日 16時41分

シリア難民中継国ギリシャの苦悩

  

久保田弘信(フォトジャーナリスト)

 

【まとめ】

・ギリシャは2010年の通貨危機以来、経済状況は悪化、若者の失業率がほぼ約50%に。

・多くのシリア難民がギリシャに留まっているが今のところテロなどは起きていない。

・難民をサポートするギリシャ人のホスピタリティが報われる日を願う。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37364で記事をお読みください。】

 

■通貨危機から脱しきれないギリシャ

ギリシャというと多くの日本人が想像するのは、古代遺跡パルテノン神殿やアクロポリス遺跡群ではないだろうか。そして次に思い浮かぶのが、2010年の通貨危機だろう。ギリシャの通過危機はヨーロッパ全体だけでなく、遠くアジアの国々、日本にも影響を及ぼした。2度に渡ってEUとIMF(国際通過基金)から総額2400億ユーロの支援を受けたギシリャは、EUとIMFのオーダーにより、増税・年金改革・公務員改革・公共投資削減などの緊縮財政政策を行わざるを得ない状態に。また2015年には、25歳未満の若者の失業率が49.7%になり、ほぼ半数の若者が職につけなくなっている。

古代遺跡と通貨危機の国、そんなイメージが先行するギリシャに取材で訪れることになった。

写真:世界遺産としてしられるアクロポリス遺跡群

©久保田弘信

 

■落書きだらけの街、首都アテネ

ギリシャの首都、アテネの第一印象は“落書きだらけの街”だった。アテネはメトロ、トラム、バスが発達しており、料金は行き先ごとでなく時間単位で決まっている。24時間乗り放題のチケットが4.5ユーロ。日本円に換算すると600円弱。一駅乗っただけでも200円近くかかる日本と比較すると、かなりお得な価格設定になっている。

 

アテネの駅に改札はなく、買ったチケットを最初だけポストのような機械に入れ、使い始めの時間を印字する。その後は、何度乗ってもチケットを改札に入れることもなく、見せる必要もない。チケット無しで乗った場合、60倍の罰金があるそうだが、そんな取り締まりを見たことがない。まさに性善説で成り立っている国だ。

写真:大胆に落書きがされたメトロ車両

©久保田弘信

 

しかし、メトロやバスは落書きだらけ。メトロは港町ピレウスに向かう路線が、ほぼ全ての車両に落書きが施されている。その落書きがちょっとアーティスティックでカッコよく見えてしまうのが、良いのか悪いのか…。

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