ユネスコ神話崩壊「国連幻想」棄てよ
Japan In-depth / 2017年12月19日 10時1分
保守系の大手紙ウォールストリート・ジャーナル社説も10月中旬の「アメリカは反イスラエルの国連機関を財政支援すべきではない」という見出しの社説でトランプ政権の離脱決定への賛成を表明した。同社説は以下の骨子を述べていた。
「ユネスコは何十年もにわたり、文化機関を装ってきたが、実は政治機関であり、歴史的にもソ連が長年、ユネスコで反米の教育プログラムなどを運営してきた。ユネスコ事務局長のイリナ・ボゴバ女史はブルガリアの共産党員だった過去があり、最近もロシアのプーチン大統領の支援を受けて、国連事務総長選に出た」
写真)イリナ・ボコバ前ユネスコ事務局長 Flickr Chatham House
「ボゴバ事務局長は2011年にパレスチナ統治機構をアメリカやイスラエルの反対を無視してユネスコの加盟国として受け入れた。ユネスコは反イスラエルの偏見が絶えず、基本的な内部改革が必要であり、そのためにも今回のトランプ政権の離脱の決定は正しい」
ただしボゴバ氏は10年の任期がちょうどこの10月末で切れて、次期事務局長にはフランスのオードレ・アズレ元文化通信相の就任が決まった。だがアメリカの離脱の状況には変わりはない。
写真)オードレ・アズレ ユネスコ事務局長 出典)Un site du ministère de la Culture
アメリカには年来、国連自体への批判や懐疑の歴史がある。とくに保守派の間には国民の選挙で選ばれる民主主義の主権国家の指導者と異なり、単に任命で選ばれる国連のような国際機関の幹部への不信が強い。その不信は反米傾向の強い共産圏や第三世界の代表が多数決で牛耳る国連の左傾化によりさらに強められてきた。
アメリカはとくにユネスコと長年、戦ってきた。レーガン政権時代の1984年にはユネスコを脱退し、2003年まで復帰しなかったのだ。この時の原因はセネガル出身のアマドゥ・マハタル・ムボウという人物がユネスコ事務局長に選ばれ、13年間も在任して、反欧米の過激な政治姿勢をとり、縁故や腐敗をも極めたことだった。
写真)アマドゥ・マハタル・ムボウ元ユネスコ事務局長 flickr Serigne Diagne
日本もこのいわくつきのユネスコの被害者といえる。2015年にユネスコの運営する「世界記憶遺産」に中国が申請した「南京大虐殺文書」が登録されたからだ。「文書」の内容はまったく一方的な虚構が多かった。その後には韓国主導で慰安婦についての記録も同様な申請の動きがあった。
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