都心の大学、本当に必要? 東京都長期ビジョンを読み解く!その56
Japan In-depth / 2017年12月25日 11時20分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・小池都知事、国の定員増、学部等の新増設の抑制を改めて批判。
・大学がそもそも東京都心に集中する必要あるのか。
・「排除」発言よりも「都心ファースト」が支持を失った敗北の理由。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ表示されることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37572でお読みください。】
■施政方針で東京が経済成長を引っ張る姿勢
12月1日、小池知事は施政方針で冒頭「東京は改革のスピードをあげていかなくてはいけません」と発言。特に「労働生産性は先進7か国で最低」「日本経済のエンジンである東京が改革を加速し日本全体をけん引しなければならない」と発言している。
「国は東京と国の構図を煽り、経済成長力を削ぐことになりかねない」とまで言い切る発言は、その内容の正否は置いておいても、強い信念を感じさせる。
▲写真 小池百合子都知事 2017年6月 Photo by 江戸村のとくぞう
これに続いて小池知事は「23区の大学の定員増、学部等の新増設の抑制はただでさえ地盤沈下が激しい大学の国際的地位を低下させるだけである」と強調。今回は「大学の定員増、学部等の新増設の抑制」について考えたい。
■大学定員増、学部等新増設の抑制とは
国の「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」において、東京一極集中是正の方策の1つとして「東京の大学の新増設の抑制、地方移転」が打ち出された。2018年度以降は東京23区内にある大学の定員増を基本的には認めないとするものであり、大学設置に関する告示の改正案として公表された。
このニュースは波紋を呼んだ。23区の首長の集まりである特別区長会は反対を表明。「若年層の進路選択の機会を狭め、交流を通じた多様化の機会を奪うもの」と主張。答申が出た当初から小池都知事も同様の批判。東京都議会も政府方針に反対する意見書を可決するなどの大きな反対の動きがあった。
ちなみに、こないだの衆議院議員選挙でも当時の小池都知事率いる希望の党の公約に含まれていたりする。
■疑問な反対ロジック
反対の主な理由・反対ロジックを見てみよう。
理由1:大学の教育、研究体制の改革、革新を停滞させる
この記事に関連するニュース
-
片山善博氏「103万円の壁」各首長ら懸念の声に「一番理解できるのは東京都知事」
日刊スポーツ / 2024年11月27日 22時27分
-
斎藤知事再選で「パワハラ・おねだり疑惑」は闇の中に…「百条委員会」が存在価値を失ったといえるワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 7時15分
-
高等教育の修学支援制度、対象校取り消し増加!学生への影響と対策とは?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月21日 23時0分
-
「103万円の壁」合意も〝ステルス増税〟の罠 財務省「税収減」根拠に抵抗か 自公国が経済対策に明記、引き上げ幅は年末に決着へ
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月21日 15時10分
-
高校生の息子を大学生になったら上京させたいと考えています。地方から東京の私大に進学すると4年間でどのくらい費用がかかるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月7日 3時40分
ランキング
-
1建築火災の専門家「密閉的な空間で放火されたらどうしようもない…」札幌すすきの“ガールズバー”爆発火災 火を放った疑いの41歳男性と20代女性従業員の間で交際トラブルも
北海道放送 / 2024年11月27日 19時56分
-
2玉木氏「パフォーマンスなので」 企業・団体献金の禁止めぐり 国民民主が野党協議欠席
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 18時21分
-
3出品者に情報提供求める=アマゾンジャパンの独禁法違反―公取委
時事通信 / 2024年11月27日 19時31分
-
4斎藤元彦知事の代理人、PR会社経営者の投稿は「事実を盛っている」…広報全般を任せた「事実ない」
読売新聞 / 2024年11月27日 20時27分
-
5国民民主・玉木氏、異例の官邸訪問=石破首相に原発新増設を要望
時事通信 / 2024年11月27日 20時9分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください