日本を解凍する?少数株主シンデレラストーリー2
Japan In-depth / 2017年12月31日 11時55分
安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト)
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「日本解凍法案大綱」という小説の寄稿の相談があったのが1年以上前だった。その時伺った構想に私はいたく感銘を受けたのを覚えている。それは私が今まで考えたこともないテーマだったからだ。目からうろこ、というがまさにそんな感じだった。
タイトルが言う通り、「日本を解凍」するストーリーなのだ。何のことかわからない、という向きにはとにかくこの物語を読んで頂きたいのだが、言い換えると、「日本経済の再起動」ということだ。
バブル崩壊後20年以上経ってなお、我が国は未だデフレのトンネルから完全に抜けたとはいいがたく、政府・日銀が目指す物価上昇2%の達成時期も見通せていない状況だ。アベノミクスも5年目になろうとしているのに、だ。
そうした中、一体どうやって日本経済を再起動するというのか。そのかぎがこの物語の中に隠れている。キーワードは「同族会社の少数株主」だ。
本小説の作者で、弁護士の牛島信氏に話を聞いた。
(1の続き)
牛島:僕はよく団子屋のたとえ話をするんですよ。例えば、銀座の金春(こんばる)通りかなんかにあるちっちゃな、昔からの団子屋を想像してみてください。で、その団子屋ですが、昔々、世話になった方がいてその人にお金をだしてもらって始めたんだけど、なにせ何代も前の話なんで覚えちゃいないわけです。その団子屋の主人が言うことには「私は趣味の団子屋でして安く作って味が分かってくれるお客さんに売れてりゃそれでいいんです。」と。でもね、銀座の商店街ですから時代の流れとともに再開発もあるでしょう。そうした時にその団子屋だけ頑としてどかなかったらはた迷惑じゃないですか?なのにその人は「迷惑だっていわれても、私はここの土地に権利があるんだから知ったこっちゃない。」こう言われちゃ困っちゃうわけですが、どうです、こういうことって世間にごまんとあると思いませんか?
安倍:ありそうですねぇ。1軒だけ立ち退かなくて、その周りはとっくに空き地になってるからその店以外は塀で囲われて工事は中断したまま、なんて至る所にあるじゃないですか。
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