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北朝鮮の微笑工作 振り返れ「帰国運動」の悲劇

Japan In-depth / 2018年1月22日 11時26分

 

 

 また、韓国で反政府運動に関わったため、追われて日本に密入国し、南への強制送還を恐れて北に渡った例もあったという。北の凄惨な実状が伝わり始め、帰国希望者が減って以降は、朝鮮総連の中央・地方幹部が範を示すため、身内を帰国させるケースも増えた。その中には朝鮮総連議長・韓徳銖の娘のように、特権階級入りできた例も少数ながらあったが、多くは事実上人質となり、在日家族はますます北朝鮮当局の言いなりとなっていった。

写真)帰還手続きをする在日朝鮮人
出典)パブリックドメイン: 日本政府「写真公報(1959年10月15日号)」より

 

 北への渡航者には約1800人の日本人妻も含まれていた。帰国事業の開始当時、在日コリアン世帯の約2割に日本人妻がいたという。多くの場合、女性の家族は結婚に反対、いわんや北への移住には強く反対した。しかし総連幹部らの「3年もすれば日本に里帰りできる」という言葉に騙され、不安を抱きながらも船に乗ったケースが多かったと言われる。

 

 帰国者たちは、総連最高幹部の親族を除き、塗炭の苦しみを味わうことになった。真面目で正義感の強い人ほど、不条理に抗議し、そのことで凄まじい迫害に晒された。強制収容所で虐待死ないし処刑された人も多いと伝えられる。

 

いまミニスカートで訓練された笑顔を振りまく美女軍団のそれぞれにも、背後にどのような悲劇があるか分からない。その悲劇の度合いは想像を絶するレベルのものであり得る。

写真)牡丹峰楽団(モランボン楽団)
出典)flickr:Son Junhoe

 

露骨に前のめりの宥和姿勢を見せ始めた文在寅政権の幹部にそのことへの感受性があるとは思えない。南は急速に、そして進んで北に取り込まれていくだろう。

 

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