国産ミサイルはいらない
Japan In-depth / 2018年2月9日 10時44分
対してJSMは安い。ミサイル小型軽量であり翼もついている。エンジンは標的用ドローンに使うマイクロ・ジェット・エンジンでよい。そして高比重ジェット燃料を50リットルも積めば射程は充分に達成できる。
・ 搭載数も減る
また搭載コストも高くなる。ASM-3は重いので1機に多数を搭載できない。そのため従来同規模の発射数を実現するには多数の飛行機が必要となる。
実際に搭載数は半減する。F-2戦闘機は500kg級の在来型対艦ミサイルを4発搭載できた。それが900kgのASM-3は2発しか搭載できなくなるのだ。
つまり攻撃機は倍の数必要となる。従来と同規模攻撃をするならそうなる。仮に5隻の艦隊をミサイル20発で攻撃する場合、従来ミサイルは5機で済んだ。それが10機必要となるのだ。
対してJSMは400kgにすぎない。これは500kg級の在来型ミサイルよりも軽い。既存機体への多数装備だけではなくヘリコプターからの発射やドローンへの搭載も視野に入る数字である。
・ 威力もコストに見合わない
威力面でも高コストだ。ASM-3は価格・重量がかさむ割に弾頭の重量はJSMと大差ない。つまりは威力はほとんど変わらない。
ASM-3の弾頭重量はおそらく150kg程度だ。超音速対艦ミサイルの弾頭重量は全体の10〜15%程度である。ASM-3に当てはめれば大きめに見積もっても150kg程度でしかない。これはJSMと変わらない。在来型ミサイルの弾頭は全体重量の25〜30%程度だからだ。JSMでも弾頭重量100〜130kg程度が確保できる。
■ 命中率はJSMに劣る
ASM-3はJSMに及ばない。
その不利の第2は命中率である。超音速のASM-3よりも亜音速のJSMのほうが命中率が高い。その意味でも導入の価値はない。
・ 超音速ミサイル迎撃は難しくない
そもそも超音速対艦ミサイルはいわれるほど迎撃困難ではない。比較的高い高度を漫然と直線飛行する。そのため探知も迎撃も困難ではないからだ。マッハ3〜4の超音速対艦ミサイルは60年代にソ連軍が装備を始めたが、米海軍は70年代には迎撃技術を確立していた。
・ 超低空/アクロバティック/ステルス
対して亜音速対艦ミサイルは探知も迎撃も困難である。
なぜなら海面ギリギリを飛んでレーダをかわすからだ。例えばエグゾゼ最新型は海面高度2.5mで飛翔する。この場合、レーダ探知や電波誘導式ミサイルでの迎撃は難しくなる。センサー側からみて海面とミサイルの距離差が小さすぎるので区別はつき難い。その上、海面波浪の乱反射の影響も受ける。その中からミサイル反応を探すのは難しい。
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