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国産ミサイルはいらない

Japan In-depth / 2018年2月9日 10時44分

 

■ 超音速はエラくはない

以上がASM-3の不利である。総括すれば速度以外の全ての点でJSMに劣る。総合評価をすれば従来の亜音速ミサイルにも及ばない。エグゾゼ、ハープーン、国産のASM-1/2以下である。役立たずが明らかな失敗作である。

なぜそのようなミサイルを作ってしまったのか?

先を見る目がないからだ。

フランスやアメリカは超音速対艦ミサイルは不要と切り捨てた。コストの割に何の利益も得られない。検討はしたものの実物は作っていない。

対して日本は「本当に超音速が必要か?」の見極めをしなかった。「亜音速よりも超音速がエライ」と単純に考え高額かつ使いにくいミサイルを作ってしまった。

▲写真 NSMミサイル(JSMの開発元)2014 出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Zachary D. Bell

・ 国産したい病

さらに背景には「国産したい病」もある。

日本の防衛セクターは兵器国内開発・国産にこだわる。そのため性能要求では「海外製品では実現しない性能」が強調される。海外に同性能品があれば「それを買えば良い」となる。

その結果が珍妙な兵器開発である。航空機ならF-2戦闘機、C-2輸送機、P-1哨戒機の開発がそれだ。いずれも米国製F-16、C-17、P-8を購入あるいは小改修すれば済む。だが、わざわざ高い開発費を掛けて低性能機をゼロから作る無駄をしてしまった。

ASM-3もその伝である。海外製品との競合を避ける。あるいは従来のASM-2との差別化を図る。そのためわざわざ超音速にした。結果、高額かつ不便となった。そのようなミサイルを買う必要はない。JSMなりLRASMを購入し、あるいは既存ミサイルをステルス化したほうがよい。

▲写真 LRASM 出典:photo by DARPA photo

トップ画像:ASM-3 2017年11月29日 岐阜基地にて 出典 photo by Hunin

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