特別養子縁組のこれからを考える
Japan In-depth / 2018年2月21日 15時2分
藤林氏は「こどもに永続的な家族を保障する特別養子縁組制度を保障することが可能になっていくかもしれないという考え方は示されたが、実現するかが今後の課題である」と指摘し、「こういう議論がなされていることに関心をもってどうあるべきか考えてほしい。」と述べた。
写真)パネルディスカッション登壇者
(C)Japan In-depth編集部
写真)左から浅賀明日香氏、星子良枝氏、大久保文氏
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写真)左からホッブス美香氏、藤林武史氏
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続いて、「永遠の家族の絆とは?―当事者の視点から」と題し、パネルディスカッションが行われた。女優サヘル・ローズ氏は、「(親子が)一対一の関係だからこそ教えられることはあると思う。施設では、一人の大人が大勢の子どもを見なければならないので、子どもは疎外感や孤独を感じる。当時は壁の外の一般生活が羨ましかった。また、一般常識も遅れがあった。」と4歳から3年間過ごした孤児院での生活を振り返った。
「早い段階から家族になる橋渡し、道順を作っていかなければならない。日本の社会的養護下で生活している子どもたちが抱えている現状に向き合い、制度を変えていくことが必要だ。」と改めて指摘した。
養親の立場から参加した浅賀明日香氏は「夫婦共に特別養子縁組に対してもともとさほど抵抗はなかった。問題だと思うのは、周りに(養親の)経験者がいなかったことだ。それによって不安もあった。自分が経験者の立場として伝えていきたい。」と述べた。
施設と里親家庭の両方で育ち、二人の子どもの母でもある星子良枝氏は「2歳から7歳まで施設で育ち、その後8年間里親家庭に行った。里親に出会ったのは4歳の時だったが、実母に連絡がつかず同意を得られなかったため、里親家庭に行くのが遅くなった。里親家庭では、施設との環境の違いに戸惑い、慣れるのに時間がかかり、結局受け入れられずに高校3年間は自分の意思で家を出て施設で生活した。自分が母親になって子どもに与えている愛情を当時の自分が受けることができなかったと思うと悲しい気持ちになる。子どもは早い段階から家庭で親からの愛情を受けて育つことが重要である」と話した。
跡継ぎが必要な家庭で養子として育てられた大久保文氏は、子どものための養子縁組と対極にあるのが家のための養子縁組のように言われる事に対して、「自分の経験からいうと、家のための養子縁組であっても結果的に子どもが幸せであるならば(よい)。特別養子縁組が法的な仕組みとして上手く生きた結果が家のため(の養子縁組)なのではないか。」と述べ、子どもが幸せであることが第一で、養子縁組した背景で安易に区別するべきではないとの考えを示した。
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