急げ「専守防衛」の見直し
Japan In-depth / 2018年2月22日 18時0分
島田洋一(福井県立大学教授)
「島田洋一の国際政治力」
【まとめ】
・安倍首相が衆院予算委員会で「専守防衛は純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」と発言。
・中谷元自民党安全保障調査会長は「懲罰的抑止力」の一環として「策源地攻撃能力」整備が必要と述べた。
・小野寺五典防衛相も、日本は「敵基地攻撃能力」保有を検討する必要がある。と発言。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=38599で記事をお読みください。】
安倍首相が2月14日の衆議院予算委員会において、「専守防衛は純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい。…相手からの第一撃を事実上甘受し、国土が戦場になりかねないもの」だからと語った。
▲写真)トランプ大統領との電話会談後、会見する安倍首相 2018年2月14日 出典)総理官邸
産経新聞同19日付の社説は、「歴代首相で、専守防衛の欠陥をここまで認めたのは安倍首相が初めてではないか。極めて妥当な見方だ。政府・与党はこれを機に、専守防衛の問題点を国民に対して積極的に説明すべきである」と主張している。その通りだろう。
もっとも同社説は、
「首相が問題点を認めながら、『専守防衛は憲法の精神にのっとった防衛の基本方針』として堅持すると表明したのは残念だ」 ともしている。これもその通りだろう。
実は、防衛大臣も務めた自民党幹部から、公の場で、より踏み込んだ発言が出ている。
2017年11月23日、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の「北朝鮮危機-日本よ目を醒ませ」と題するシンポジウムにおける、中谷元自民党安全保障調査会長の発言である。中谷氏は、「拒否的抑止力」を越えた「懲罰的抑止力」の一環として策源地攻撃能力の整備が必要だと力説した。
▲写真)シンポジウム「北朝鮮危機-日本よ目を醒ませ」 出典)公益財団法人 国家基本問題研究所ウェブサイト
まず防衛省による定義を見ておこう。「懲罰的抑止とは、耐えがたい打撃を加える威嚇に基づき、敵のコスト計算に働きかけて攻撃を断念させるものであり、拒否的抑止とは、特定の攻撃的行動を物理的に阻止する能力に基づき、敵の目標達成可能性に関する計算に働きかけて攻撃を断念させるものである」となっている。
この記事に関連するニュース
-
米、グアム防衛で弾道ミサイルの迎撃実験に初成功 中朝の脅威に対抗
産経ニュース / 2024年12月12日 12時29分
-
地位協定の改定「米軍と自衛隊統合の観点ならあり得る」 元国防次官補、OIST活用した経済発展にも言及
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月7日 7時0分
-
ウクライナで変わった戦争の性格 日本の専守防衛では対処困難 米戦争研究所ケーガン所長
産経ニュース / 2024年12月6日 11時0分
-
「自衛隊コレ買わないか」イギリスから売り込まれた「謎の新型ミサイル」の正体 F-35を想定 空自の将来に“欠けた視点”を埋めるか
乗りものニュース / 2024年12月5日 9時42分
-
「世界から丸見えですよ」いや見せてる…? “超巨大カー”に乗せた北朝鮮のミサイル その真意
乗りものニュース / 2024年11月27日 16時12分
ランキング
-
1【速報】千葉・柏市夫婦殺害事件 放火の疑いで逮捕状の70代男を公務執行妨害の疑いで逮捕 千葉県警
日テレNEWS NNN / 2024年12月19日 19時51分
-
2「捕まること恐れず」「孤独や絶望感で一方的恨みか」 北九州の中3殺傷で識者指摘
産経ニュース / 2024年12月19日 18時42分
-
3【会見一問一答】中学生2人殺傷「5日間、不眠不休で」動機・凶器の押収は 福岡県警
FBS福岡放送ニュース / 2024年12月19日 16時31分
-
4「異臭が…」身元不明死体遺棄現場の異変 複数人が関わっている可能性も 新潟県聖籠町
BSN新潟放送 / 2024年12月19日 13時19分
-
5「リレー捜査」で容疑者特定=自宅窓ガラス割り突入、逮捕―福岡県警
時事通信 / 2024年12月19日 19時47分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください