北朝鮮「目くらまし戦略」の成否は?
Japan In-depth / 2018年3月13日 23時7分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー2018#11
2018年3月12-18日
【まとめ】
・米朝首脳会談受け入れ発言はトランプ氏お得意の内外批判を回避する「目くらまし戦略」。
・北朝鮮主導で「非核化」進むが、実際に北朝鮮は核開発を断念しない事態も想定しうる。
・南北朝鮮対話に関する中国の不気味な沈黙が気になる。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合は、Japan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38906で記事をお読みください。】
先週は駆け足でシカゴからインディアナポリス、サンフランシスコ、ロサンゼルスを回って来た。ワシントン以外の米国を訪れるのは久し振りだ。今回の出張で印象深かったことは今週の産経新聞のコラムに書いた。本稿ではそれ以外で今週気になったことを書くことにしよう。
9日のトランプ氏による米朝首脳会談受け入れ発言には、実のところ、あまり驚かなかった。北朝鮮が米朝首脳会談を欲していることは昔から変わらない。経済制裁がある程度効いているのは確かだから、南北対話の中で北朝鮮側がこうした「癖球」を投げてくること、その場合トランプ氏がこれに飛びつくことは当然予想されたからだ。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/971915531346436096
▲ドナルド・トランプ大統領Twitter(米朝首謀会議受け入れ発言)
最新の米内政事情を加味すると、トランプ氏の行動パターンがよりはっきり見えてくる。先週月曜日からトランプ氏は事実上四面楚歌。ロシアゲートの捜査が進み、交際が噂されたポルノ女優への金銭支払い問題が再燃し、ホワイトハウス国家経済会議のコーン補佐官が辞任し、鉄鋼アルミ関税問題で多くの同盟国を敵に回していた。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/971872457182326784
▲ドナルド・トランプ大統領Twitter(鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対する追加関税を導入する大統領令に署名する様子)
案の定、トランプ氏はいつもの反応を見せる。すなわち、衝動的かつ素人的独断でメディアの注目を集め、批判を回避する、お得意の「目くらまし戦略」だ。今回はたまたまそれが北朝鮮との首脳会談に対する同意だった。説明した韓国側高官もさすがに驚いたのではないか。米国の外交安保チームにとっても寝耳に水だったらしい。
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