国力落ちた日本、アジア特化目指せ
Japan In-depth / 2018年3月17日 19時31分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・日本はいつの間にか世界の新市場を開拓する国力や気概を失った。
・アベノミクスの成果も今一つ。
・アジア特化こそが日本の目指す方向。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38959でお読み下さい。】
日本の政治に覇気がみえない。いや、政治だけではない。外交も経済も文化発信などもここ2、3年沈滞したままだ。元気が目立つのはオリンピックで活躍した若いアスリートや最年少で羽生名人に勝った将棋の藤井聡太四段(その後六段に昇進)ぐらいだ。若い人が活躍する姿は将来への展望が感じられていいことなのだが、それにしてもここ2~3年の日本の元気の無さは気にかかる。
■ 輝きを失った電気業界など
例えば電気産業。先日、日本の電気業界をリードしてきたソニーの歴史年譜が新聞にでていた。1955年にその後のソニーの代名詞ともなった日本初のトランジスタラジオ、1968年にトリニトロンテレビを発売している(井深大社長時代―50~71年)。
▲写真 日本初のトランジスタラジオ 出典 SONY
特にトランジスタラジオの出現は世界を驚かせ、後に日本の貿易外交を“トランジスタ商人・外交”などと呼んだほどだ。70年代に入り、盛田昭夫氏が社長に就任(71年~76年、76年~95年会長を務める)すると歩きながらでも音楽を聞ける携帯音楽プレイヤー「ウォークマン」を79年に発売。日本の電気製品の名を一挙に世界へと轟かせた。
▲写真 ウォークマン 出典 SONY
その後を継いだ大賀典雄社長(89年~99年CEO)も家庭用ゲーム機「プレイステーション」やパソコン「VAIO」、犬型ロボット「AIBO」などを世に送り出し世界の耳目を集めた。
▲写真 初代 犬型ロボット「AIBO」 出典 SONY
しかし、出井伸之社長(99~2005年CEO)、ハワード・ストリンガー(05~12年CEO)、平井一夫社長(12~18年CEO)の代になってから、「よその会社が作らないものを作る」というソニーらしさが影をひそめ、もっぱら人員削減ばかりが目立つようになってしまった。
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