何のための東京五輪?その2 予算評価・検証の仕組み 東京都長期ビジョンを読み解く!その58
Japan In-depth / 2018年3月20日 16時6分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・五輪向けの新規事業、継続事業も多い。
・しかし事業と予算が「見える化」されているとはいいがたい。
・継続事業の事業評価票の「成果」についても疑問。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39036でお読み下さい。】
■ 新規事業、継続される五輪関連事業
東京都でも予算についての議論が真っ盛りだ。平昌五輪が終わり、東京五輪に向けてカウントダウンが始まっている。担当職員や関連団体、関連企業の社員の方々には是非頑張って、素晴らしい東京五輪をつくりあげてもらいたい。
前回、紹介した東京都の五輪予算であるが、30年度は会場関係817億円、大会関係166億円、大会の成功を支える関連事業1,100億円、大会に直接・密接に係る事業1,200億円で合計3,283億円である。
なかでも30年度予算として新たに計上されたのは、
◇「聖⽕リレーの実施に向けた検討」に1億円(新規):都内区市町村のルートやランナーの選定等に向けた検討を実施
◇「⼤会マスコットの活⽤」に0.4億円(新規):⼤会マスコットのネーミング発表に合わせたPRを展開
◇「セキュリティカメラの整備」に1億円:⼤会時の雑踏事故を防⽌するため、ラストマイル上にリアルタイムで状況を把握することができるセキュリティカメラを整備
といったものだ。詳細がわからないので細かい内容には入らない。
一方、29年度から継続する事業としては
◇「外国⼈おもてなし語学ボランティア育成事業」に2億円:東京2020⼤会の開催を⾒据え、街なかで困っている外国⼈に簡単な英語で道案内などの⼿助けをするボランティアを育成(規模 15,000⼈)
◇「観光ボランティアの活⽤」に5億円:国内外からの旅⾏者のニーズに対応し、利便性向上を図るため、観光ボランティアの育成・活⽤を実施
とのことだ。「外国⼈おもてなし語学ボランティア育成事業」は非常にがんばっていて、特設サイトを見てもなかなかいいな~と思う。サイトの見た目もかっこいい。ボランティアの生の声も見られてうれしくなる。しかし、詳細を見てみると、そもそも行政がやることなのか?市区町村の国際交流協会に補助金出してやってもらったほうが効率的では?と思ってしまった。
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