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性被害撲滅、詩織さん国連で訴え

Japan In-depth / 2018年3月21日 11時9分

 

筆者は、念のため、ニューヨークの性犯罪特捜班チーフで、検事のジョセフ・ムーロフ氏に、性犯罪の被害者にこのような再演を要求することがアメリカでもあるのか確認したが、「被害者が実演した方が状況を説明しやすいからと自ら同意しない限り、再演などあり得ない。しかも人形を使うなど、聞いたこともない」そうだ。

 

と、書いていると、まるで、日本は被害者の声を封じ込めようとする、ひどい男尊女卑社会のようだが、実際はアメリカも同じか、それ以上にひどい闇は存在している。大学生の5人に1人は 性暴力の被害にあっていると言われる「カレッジ・レイプ」問題だ。

 

未だに大きな社会問題として応酬が続いているのが、 2015年に起きたスタンフォード大暴行事件。パーティー会場で出会った、泥酔し意識のない女性に性的暴行を加えたとして男子大学生が有罪になった事件だ。男子大学生側は同意があったとし、無罪を主張したが、犯行を目撃した別の大学生が止めに入ったところ、男子大学生は走って逃げて捕まっており、量刑16年は確実と思われていた。

 

しかしこの男子大学生は名門スタンフォード大学の学生で、オリンピックレベルの水泳選手として、将来が有望視されている、金持ちの息子だった。 結果、男子学生に下された量刑はわずか6ヶ月、理由は、それ以上の長い量刑では、被告の人生に大きな影響を与えすぎる、という、内容だった。

 

被害女性は、名前も顔もメディアには公開はしなかったが、法廷で手紙を朗読。運ばれた病院で意識を取り戻し、暴行を受けたことを知らされた恐怖の瞬間から、家族に伝えた時の苦しみ、そして法廷では被告の弁護団から、酔っ払い女に仕立て上げられ、侮辱された悔しさを綴った。

 

この手紙が公開されるや、白人エリート主義、男尊女卑として、裁判長の判断に抗議する声が全米に広がった。裁判長の罷免を求める運動が起こる中、裁判長擁護派から脅迫状が送られるなど、争いは未だに続いている。

 

https://www.change.org/p/california-state-house-impeach-judge-aaron-persky

△判事のリコールを求める署名活動(現在は終了しています)

 

この事件で、メディアは連日、被害女性の手紙を、女性キャスターが涙ながらに朗読するなど、社会のサポートは厚いように思われたが、パーティー、泥酔、大学生、と言う言葉を聞くと、男性側に同情する声があったのも事実だ。

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