被災地復興、未だ道半ば
Japan In-depth / 2018年3月25日 13時27分
・避難勧告解除
「昨年、避難勧告が解除された。避難する時は一斉だが、解除された時は一斉ではない。6年も人がいなかった家には簡単に住めない。住民にとって、大切なものは、家族、友人、家畜、ペット、大事に育てた土地、趣味など車に乗らないものばかりだ。どんな思いで彼らが生きなければならなかったのかを想像してほしい。これが原発事故だ。」と述べ、原発事故の悲惨さを訴えた。
・情報のコントロールの恐しさ
▲写真 防護服を着る警察官(スライド)©Japan In-depth編集部
「命を守る必要な情報は来なかった。放射能がどれくらいどこに風に乗ってきていたのか、知らされなかった。1ヶ月以上経つまで、発表されず、郡山にもホットスポットあったのに、一切教えてもらえなかった。3月12日に警察官は、防護服着ている、私たちは何も知らないから普通の格好。5歳の子どもに水をもらうために2時間並ばせた水道局の水が最も放射能の値が高かった。それを飲ませて母親はひどく後悔していた。それが情報がないことの恐ろしさ。」と語った。
・1人1人に合わせた支援を
人によって状況や必要な支援は異なる。どういう状況なのかを聞いてもらうことが大切だ。
続いて第3部で青木氏への質疑応答が行なわれた。
第一部で報告を行なった高木氏からの「どういう町になっていってほしいか」という問いに対しては、「どんな新しい建物よりも、住んでいる人の気持ちが大切。1万6000人中、住むことを決めたのは450人。その帰った人も、帰れない人も、新しく住み始めた人も、どんな人でも過ごしやすい町になってほしい」と答えた。
参加者の男性の「安心と安全が一致する状態が好ましいのではないか、本当に大丈夫なのか」という問に対しては、「全ては個人の選択、子どもの甲状腺癌も出ている。危険じゃないとは言えない。子どもたちが帰ってこないのは当たり前。」と答え、難しい現状をありのまま伝えている様子が伺えた。
最後に、青木さんは、「人を救うのは人、知らないと何もできない。人として1番大切なのは、自分以外の人のことを知るということ。こうやってお話をすることで、私たちの距離は近づいたはず。次にニュースで富岡町の名前を聞いたら、この話を思い出してもらえるのではないか。ぜひ、富岡町にも来て欲しい」と訴えた。
▲写真 会場の様子 ©Japan In-depth編集部
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