中国軍弾道ミサイル、日本をも狙う ハリス太平洋統合軍司令官証言 その2
Japan In-depth / 2018年4月1日 16時36分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・中国軍は弾道ミサイルの基数、精密度で劇的な進歩。
・2020年に中国がロシアを抜き、世界第2位の海軍大国となる?
・空軍は第五世代戦闘機配備へ、陸軍はより高効率な活動へ。
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アメリカ太平洋統合軍のハリー・ハリス司令官による3月15日の連邦議会上院軍事委員会公聴会での証言は、アメリカや日本にとっての中国の軍事的な脅威を詳述していた。
この証言の詳報を続ける。
▲写真 ハリー・ハリス米太平洋統合軍司令官 出典 United States Navy
【ミサイル】
中国軍は弾道ミサイルの分野で最も劇的な進歩を示している。中国軍は弾道ミサイル各種すべての基数、型式、精密度などを高めているが、中距離弾道ミサイル(IRBM)の技術の進歩が最も顕著だといえる。中国軍のミサイル戦力全体のなかで、このIRBMはほぼ95%をも占めるようになった。
▲写真 中国 中距離弾道ミサイル DF-3/CSS-2 出典 Missies Defense Advocay Alliance
中国のメディアは定期的にミサイル開発を大々的に宣伝するが、その際は注意深く、それらミサイルが特定の国を標的にはしていないことを強調している。しかし各種ミサイルの飛行距離を実際の地理に置き換えてみると、どのミサイルがどの地域を標的としているかが、明らかとなる。
短距離弾道ミサイル(SRBM)は台湾と米海軍空母機動部隊の海上活動を標的とする。IRBMは日本国内の米軍基地とグアム島、ICBM(大陸間弾道ミサイル)はアメリカ本土を標的とするわけだ。中国軍の高度の超音速ミサイル技術の追求は今後数年間、アメリカ側にとってさらに大きなチャレンジとなる。
【海軍】
中国人民解放軍の海軍はいままさに大規模な造船計画の真っただ中にある。もしこの計画が予定どおりに進めば、中国はロシアの世界第2の海軍大国の地位を2020年には奪うこととなる。つまり潜水艦やフリゲート艦、さらにそれより大型の艦艇の規模で、ロシアを追い越すということだ。
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